2016年1月12日

 日曜日なんですよね。それも寒い寒い冬の夜の6時30分から。相当な自覚を持っている人が集まるんでしょうか。場所は東京の豊島区民センター(第11会議室)です。

 「としま九条の会」が協力してくれるそうですけど、主催は違います。はじめて名前を聞きましたが、「アベ政治に代わる政治の模索:行動しつつ考える市民の連続講座」っていうんです。

 私の話題提供のテーマは、「安保法制廃止後の安全保障を考える——9 条・自衛隊・日米安保に向き合う」。いいタイトルですね。主催者から提示されたそのままOKしました。主催者の問題意識は、チラシの以下のところにあらわれています。

 「安保法制を廃止する政府ができたとしても「9 条」「自衛隊」「日米安保」が共存する政権になります。中国脅威論や北朝鮮問題は誇張されている側面はありますが、根拠がないわけではなく、安保法制を廃止する政権づくりに市民がコミットしていくためには、安全保障政策や、タイトルに掲げた3つのファクターの矛盾に向き合うことが求められます。地域から安保法制廃止を求める運動をつくるうえで、私たちは何をなすべきなのかを、従来型の思考にとらわれず、21 世紀の憲法と防衛を展望してきた松竹伸幸さんとともに考えます。」

 そうなんですよね。戦争法を廃止する政権をつくるというけれど、それって、悪い言葉でいえば、戦争法が成立する前の自民党政権に戻るということなんですよ。それだって打倒の対象だったんですよ。

 なかなか難しいですよね。安倍政治を退場させようと願っている勢力はいろいろあるけれど、一致できるのは「戦争法廃止」くらいで、「9 条」「自衛隊」「日米安保」をどうするかではバラバラです。

 話題のシールズにしても同じでしょう。ホームページで安全保障分野の提言を見ても、「自衛隊」の言葉は見当たりません。自衛隊をどうするか議論しはじめると、おそらく一致しなくなるんでしょう。やはり一致点は戦争法廃止まで。

 だけど、国会議員を当選させようというわけですから、有権者が求めるのは「政策」です。「戦争法を廃止ということは、戦争法廃止以前の自民党と同じ政策ですか?」と問われます。「政権をとったら考えます」でいいんでしょうか。

 市民運動している分はそれでいいんですけど、その運動の目標を達成するため国政選挙にかかわろうとすると、それではダメなんだと思うんです。だけど、私の周りを見ても、「9 条」「自衛隊」「日米安保」をどう運用していくのかという問題意識を持った人たちは、ホントに少ないです。

 そういう問題意識を正面にすえて講演を頼まれるって、これまでなかったので、ちょっと力が入っています。お近くの方は、寒くて大変でしょうけれど、是非、お越し下さい。終了後は暖まる場も設けられるんじゃないでしょうか。