2016年1月20日

 今年の3.11企画を現地の方々と打ち合わせするため、昨日、行ってきました。東京から特急で2時間半かかるんですよ。京都ー東京間より時間がかかるんですね。

 恒例の3.11企画ですが、1年目と2年目は南相馬・相馬でした。ジャズヒケシでトランペットを吹く伊勢崎賢治さんが、震災後1週間もしないうちに南相馬に入り(原発から何キロかという信じられないところまで)、まだ放射能の影響が見えずにボランティアも来ない段階で支援活動をこの地ではじめたということもありました。また、1年目に講演をお願いした元拉致被害者家族会の蓮池透さん(『私が愛した東京電力』の著者)が、震災の二年ほど前、この地の九条の会に呼ばれたことがあって、その中心メンバーのメールアドレスが私のメールソフトに残っていて、連絡が取りやすかった(九条の会を中心に受け入れ体制もできた)こともあります。2年目の取り組みを通じて、『福島再生』という本をつくりました。

 3年目は福島市でした。放射能の子どもへの影響が問題になっていて、かもがわ出版として『あの日からもずっと、福島・渡利で子育てしています』という本をつくっていたし、その問題を議論するのに福島市は大事な場所でした。再び伊勢崎賢治さんが登場しましたが、お相手は福島高校のジャズ研究部。子育て中の家族向け企画ということで、「みんなの歌」などでも有名なZABADAKも出演するという豪華版になりました。

 4年目は、私が生業訴訟(「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟)にかかわり、2カ月に一度の公判の度の講演会を開催することに責任を負ったため、3.11企画は中断。だけど、生業訴訟原告団・弁護団のみなさんと一緒に、三つの本をつくることになりました(『あなたの福島原発訴訟』『国と東電の罪を問う』『福島を切り捨てるのですか』)。講演記録(浜矩子、白井聡、藻谷浩介、大友良英、内田樹)も、近く、『福島が日本を超える日』というタイトルで本になる予定です。

 いやあ、最初は会社と関係なく、ボランティアではじめたんですが、こんなに本にもなっているんですね。びっくりです。これとは関係なくつくった福島関連本もだいぶありますけど。

 そして5年目。生業訴訟に協力してくれる方を探す過程で、昨年6月、『原発労働者』(講談社新書)を書かれた寺尾紗穂さんとお会いすることができました。シンガーソングライターでこんな本を書くのだから、すごい人です。その本を読んでいると、いわき市の市議会議員を通じて原発労働者を取材した話が出てきます。その市議会議員というのが渡辺博之さんといって、3.11の年の11月に出版した『福島は訴える』の著者のお一人でもあったんです。それで、そういえば、いわき市でもやるべきだよなと思い、5年目の3.11企画となりました。

 昨日、池田香代子さんとの対談に登場される方、その他の方が集まり、いろいろと打合せをしました。きっといい企画になりますので、お楽しみに。

5年目の3.11チラシ

 いわき市長にもあいさつしてもらおうということになり、突然、市役所を訪ねて、秘書課長にもお会いしてきました。関係ない話ですが、そこへの道すがら聞いたことで、いわき市って、平成の大合併前は日本で一番大きな市だったそうで、香川県まるごとに近いそうです。

 これへのツアー(11日から13日の2泊3日)参加申込みは、以前も書きましたが、旅行社「たびせん・つなぐ」(03-5577-6300)です。札幌から飛行機で来るツアーもあります。こちらの旅行社は「旅システム」(011-742-2260)です。