2014年5月26日

 昨日、このテーマで講演してきました。京都市西京区の新日本婦人の会が主催する「平和の集い」でした。

 女性の集まりだということで、いかめしいテーマじゃないものにしたんです。レジメも、一、安倍首相は人のいのちを大切に思っているの? 二、安倍首相には良いと悪いの区別がついているの? 三、どうすれば戦争を止めさせることができるの? という構成にしました。

 悩んだのは、この間いろんなところで必ず話すテーマである「憲法9条の軍事戦略」が必要であるということを、女性たちを前にして話すのかどうかということです。自分の体験からいって、軍事力とか自衛隊を拒否する傾向は女性に多いですから、挑発することになって嫌われたらいやだなと思ったんです。

 だけど話しました。だって、この地域は、陸上自衛隊の桂駐屯地があって、どういう立場であるにせよ、この問題を避けて通れないんです。

 結果は、ぜんぜん拒否されませんでした。ある方は、9条の会を起ち上げたときに自衛隊の家族も参加されていて、この問題は大事なテーマだと話されていました。別の方は、いま自衛隊を否定する人なんか誰もいない、防衛は当然のことなんだから、もっと外交の話しを聞きたいと発言されました。

 いや、発言されなかった方の中に、拒否反応をもたれた方がいたかもしれませんが、会場の雰囲気は、安倍さんの戦争をやめさせるには、こういう考え方が必要だよねというものだったと感じます。9条の会が行き詰まっていて、これが活路になると思うと言われた方もいました。

 もちろん、自衛隊のことを批判しなければならない局面って、よくあります。大がかりなもので言えばイラク派兵のことがありましたし、いまで言えば中国に対する対応の問題も、全体としては中国からの挑発というものですが、日本側にも問題があります。

 そういうことを問題にするときに、私が気をつけてきたのは、目の前に自衛隊員がいるということを想定し、その自衛隊員に語りかけるつもりでお話しすることです。自衛隊員に納得してもらうには、どういう話し方をすればいいのかということに、ずっと気を遣ってきました。

 自衛隊員は、憲法で否定されていることについて、ただでさえ忸怩たる思いを抱いています。だけど、安倍さんが進もうとしている方向にも、大きな不安を抱えているでしょう。そういう自衛隊員を包み込むような言葉を、私たちは見いだしていかなければならないのだと思います。自衛隊員を傷つける言葉は、その自衛隊を当然のこととして認めている7割、8割の世論にも届かないと思いますしね。