2018年1月23日

 というタイトルで、2月半ば、関西で講演することになっている(どこにも情報が出ていないので、なんだか怪しげな催しですが)。その準備のつもりで、来週以降、何回かにわたって連載するつもりだが、まず頭出し的に問題意識だけ書いておく。

 この講演のキモは何か。一言でいえば、基本政策が正反対の政党同士の政権共闘、選挙共闘はどういう条件のものでなら可能か、ということだ。

 「政権共闘には基本政策での一致が不可欠だ」ということは、共産党がずっと言ってきたことだ。憲法九条を守ることで一致して選挙を闘おうと申し入れがあったのに、「基本政策である安保条約での態度が違うからダメだ」と断ってきたのが共産党である。

 ただ、基本政策での一致が不可欠だというのは、共産党に限らず、どの党にとっても基本的な考え方だろう。前原さんが、共産党を含む野党共闘を拒否し、希望の党に合流すると決めた時も、そういうことを言っていた。枝野さんの立憲民主党が共産党との政権協議に消極的なのも、そこに根源があると思われる。

 共産党を擁護して言えば、共産党の政権論は、そう単純なものではない。基本政策で一致しない場合の政権論も存在する。ずっと昔から、「暫定政権」とか「よりまし政権」と言われてきたものだ。安全保障政策で一致しなくてもOKというのは、昔からの共産党の立場だったのである。

 ただしかし、そういう暫定政権構想は、これまでまさに「暫定」的なものであった。「選挙管理内閣」と言って、ただ選挙をするためだけの内閣だったりした。その後、政策で一致する政権構想も提起されたが、それも「ロッキード疑惑究明」とか「消費税廃止」とかの政策課題を実現したら、ただちに解散して総選挙することが想定されていた。

 けれども、いま共産党が求めているのは、新安保法制(戦争法)を廃止したら、ただちに解散して総選挙するというものではないように思える。基本政策での意見の違いがあっても、できるだけ長く政権をともにしようとしているのではないか。

 そういう場合、日米安保や自衛隊をどうするかという問題で意見が違うのに、どうやって政権をともにできるのか。普通に考えれば絶対に無理だろう。

 来週からの連載では、そこを考えてみたい。お楽しみに。