2015年5月11日

 昨日から東京。明日まで。最大の仕事は、今月刊行する「未来への歴史」シリーズ2冊の仕上げ関係。

 ついでに何人かの方とお会いする。難しいのは、来年の参議院選挙に向けて相談に乗ってほしいというもの。

 当然のことではあるけれど、参議院選挙で改憲派が3分の2を超えたら、衆参ともに改憲を発議できるようになる。この選挙後に発議して国民投票に向かうというのが安倍政権の描くスケジュールである。

 それに対して、護憲派がせめて3分の1をとれるようにしたいとして、動きが活発化している。その相談に乗ってほしいということで、ある方とお会いする。まあ、私も率直に意見を述べるつもり。

 護憲の統一候補といっても、そう簡単ではない。何重にも乗り越えるべき壁がある。

 まず、護憲ということだけで統一できるのか、という壁がある。いくら憲法が大きな焦点になるといっても、これだけ暮らしの先行きが見えないときに、経済では一致しませんというのでは、とっても勝てないだろう。

 じゃあ、「脱原発」を打ちだすのか。それを打ちだすにしても、何が脱原発かということになる。世論調査でも即時廃炉だけでは国民多数になっていない。だけど、20年後までに廃炉という人を入れて多数になったと見えても、今度は、再稼働問題などで内部分裂を始めるだろう。

 護憲それ自体は、憲法改正には賛成しなければいいのだから、難しい問題は生じない。しかし、統一がなされるとしたら、それは自衛隊に関する考え方が根本的に異なる人の統一だ。ガラス細工の統一である。国民投票で勝つために立場の違いを超えて一緒に運動しようというレベルなら問題ないが、国政選挙での統一となると、その違いははげしく攻撃されることになる。

 憲法九条のもとで自衛隊をどう位置づけるのか、日米安保はどうするのかという、いわば政策上の問題は、5月18日に「自衛隊を活かす会」が出す提言によって、ある程度はクリアーできるだろう。「こういう政策でやっていく」と堂々と言えるはずだ。

 問題は、自衛隊が合憲か違憲かの違いだ。護憲の統一候補といっても、この問題では立場がばらばらだろう。

 3分の1なら政権をとるわけではないので、選挙後、閣内不一致を攻撃されることはないだろう。しかし、選挙中、「政権はとらないので、自衛隊が合憲か違憲かの統一解釈は出さない」という態度をとったら、ちょっともたない気がする。

 それよりも何よりも、そういう機運が出てくるのかということだ。沖縄の結果があったから、日米安保に対する態度の違いは障害にならない可能性は生まれたのだが、本土で本当にそういうことが可能なのか。

 まあ、虚心坦懐に話し合ってきます。では。