2017年2月15日

 昨日はブログを休んでしまいました。留学から帰国した娘が、3月からの就活を前に集中的に遊んでいて、奈良の飛鳥にも行きたいということでやってきたのですが、こちらには友だちがいなくて寂しいということで、丸1日、付き合わされていたのです。昨秋のプラハ1日3万歩に続く2万6千歩を記録しました。

 さて、アメリカとか北朝鮮とか、いま論じるべき問題はとっても多い。そのなかで、ますます解決から遠ざかるように見える慰安婦問題について、どうしても書いておきたい。先日、福井の2.11で講演してきたのだが、その準備過程で、ずいぶんと考えることがあった。現在の日本でこの問題を論じると、左からも右からもバッシングされる可能性があるが(というか無視かな)、大事なことは避けてはならないと思う。

 韓国のユン・ビョンセ(尹炳世)外相が13日、国会において、大使館前に慰安婦像を設置するのは国際的にあり得ないことだと発言した。また、一昨年末の日韓合意にもとづいてつくられた「和解・癒やし財団」の支援事業を受け入れた34人のうち5人は、合意に反対する関連団体(ナヌムの家などということだ)に所属していることも明かしたそうだ。この5人に政府が合意を強制したことはなく、本人が自発的に財団を訪れ、合意を評価したということである。

 現在の韓国の世論状況からして、勇気ある発言だと思う。日本政府はこういう前向きの発言をとらえて、大使の一時帰国を解除すべきだったと思うのだが、何の反応もしないとは、政治的な鈍感さが極まっていると感じる。

 この発言、とくに前者について、韓国国内からは「親日派」だとしてバッシングの対象になっているという。まあ、現状では、そうだろうね。

 後者に関わって、慰安婦の34人が合意を受け入れているということを、私はとても大事だと思う。生存する慰安婦の7割以上になるのだから、多数の意思なのだ。

 ところがこれまで、韓国や日本の日韓合意反対派は、慰安婦が高齢化して自分の意思をちゃんと表明できる状態ではないとして、7割以上という数には何の意味もないと批判してきた。今回、ナヌムの家などに住む5人が財団を訪問して、自分の意思でお金を受け取ったことについて、今度はどんな評価がされるのだろうか。批判が慰安婦に向かわないことを願うばかりだ。

 ということで、この問題の解決は難しい。難しくしている原因はいろいろあるが、これを解決するという視点で考えてみて、こういう手法でアプローチしてみたらどうかと思う。

 それは、河野談話よりも一昨年末の日韓政府合意のほうがずっと優れているという視点をもつことだ。日本であの慰安婦合意に賛成できない人の多くは、河野談話のほうがずっと優れていると思い込んでいるのではないか。それは間違いである。(続)