2017年10月3日
というタイトルの本を出すことになりました。総選挙開票日の二か月後の12月22日、集英社新書です。
選挙の結果はどうなるか読めない部分もありますが、改憲の国民投票が現実味を帯びることだけは確かでしょう。立憲民主党+共産党の訴えが広がるほど、希望の党への支持が減り、改憲を公約に掲げた自民党が得をするということになるでしょうから。たとえ自民党が減っても、希望の党は改憲で協力するでしょうしね。
国民投票で勝利する上で、自衛隊と専守防衛を護憲派がどう位置づけるのかが最大のカギになるのではないかというのが、私の見通しです。改憲派は「国民が大切に思っている自衛隊のことを憲法に書き込もう」と訴えるのに、護憲派は「自衛隊のことは何があっても絶対に明記させない」と訴えるわけですから、自衛隊を大切にする勢力とそれを嫌う勢力との対決のように国民には映るでしょう。そうなったら完全に負けです。
ということで、安倍さんが、長年の野望だった2項の削除という悲願を捨ててまで加憲でよしとした「覚悟」に対して、護憲派が自衛隊と専守防衛をめぐってどこまで「覚悟」をできるのかが、国民投票の結果を左右すると思っています。目次は以下の通りです。
第一章 護憲派とはどういう人のことか
1、非武装の改憲派、専守防衛の護憲派の登場
2、専守防衛か非武装中立かの対立は見せかけ
3、九条に加憲する案とどう向き合うのか
第二章 「戦争」と「平和」は対義語なのか
1、侵略戦争と同じ数だけの自衛戦争がある
2、戦争と平和は通じ合っている
3、戦後の世界で、戦争は減少する傾向にある
第三章 自衛隊の合憲と違憲の分岐点はどこにあるか
1、名古屋高裁イラク判決の意味を探る
2、長沼ナイキ訴訟違憲判決の論理構造
3、国民の生命を守ることは憲法違反なのか
第四章 共産党は憲法・防衛論の矛盾を克服できるか
1、「中立自衛」政策のもとでの矛盾と葛藤
2、憲法九条を将来にわたって堅持する時代の矛盾
3、どうやったら矛盾を乗り越えられるか
終 章 護憲による矛盾は護憲派が引き受ける
おわりに