2018年2月26日

 今週は木曜日まで東京出張で忙しいということもあり、いろいろとお知らせを掲載するだけかも。まずは「自衛隊を活かす会」関連。

 自衛隊を活かす会は今年、連続講座「抑止力はこれでいいのか」をスタートさせます。第1回目は、早稲田大学准教授の栗崎周平さんをお迎えし、「抑止力の理論と現実──ゲーム理論とデータ分析で読み解く」です。

20180306_抑止力はこれでいいのか①_抑止力の理論と現実_RGB

 「ゲーム理論」というと「遊びか?」と思われる頭の硬い方もいると思いますが、チラシにも書いているように、「複数のプレーヤーによる意思決定の相互依存関係を記述する」のがこの理論なんですね。抑止のように、当事者一国の意思だけでは成り立たない関係を探る上で、大変有力な考え方だと思います。

 「研究会」なので参加者限定。研究者、自衛官(現元)、政党・国会議員、メディアのみです。二回目も5月で決まっていますが、これは非公開。今後も公開、非公開の両方があります。

 これをくり返していって、年末から来年初頭にかけて、自衛隊を活かす会として抑止力への対案みたいなものが打ち出せればいいなと願っています。そう簡単ではないことは自覚していますけれどね。

 だって、抑止力批判はこれまでもいくらでも存在してきましたし、私だって『幻想の抑止力』なんて本を書いたこともあります。だけど、日本の抑止力依存はずっと変わってきませんでした。日本国民は抑止力が大事だという自民党政府を支持し続けてきました。というか、野党だって(共産党を除いて)、みんな抑止力を疑っていません。共産党はこれを疑っているわけですが、その共産党の安全保障政策は(そういうものがあるかどうか別にして)、国民から支持されていません。

 国民の多くは、抑止力神話にどっぷりつかっていて、それで満足しているわけです。有名な非核三原則(持たず、つくらず、持ち込ませず)はその象徴のようなものです。だって、非核政策というなら、一番大事なのは、「使わせず」であるべきでしょ。なのに、日本の領域に核兵器が持ち込まれることには敏感であっても、抑止力の中心である「使うぞ」ということは黙認しているわけですから。

 抑止力に替わるものを見つけださない限り、9条の国民投票にも負けると思います。アメリカの抑止力に依存するというのが、安倍さんの加憲案の神髄ですからね。だから、それまでに国民の多くが納得できるものができればと思うわけです。

 では、京都駅に向かいます。