2014年1月10日

 本日も忙しいので、本の紹介。そうなんですよね、本づくりで忙しいわけだから、その原因となっている対象の本は、どんどん進行しているわけで……。

 タイトルは、『女子大生 原発被災地ふくしまを行く』。3.11を前に、2月下旬には書店にならべたいと考え、努力中です。まず、書店用のチラシをどうぞご覧ください。

女子大生福島を行く

 神戸女学院大学の石川康宏ゼミナールの編著です。石川ゼミは、ずっとこの間、慰安婦問題をテーマにやってきたわけですが、3.11後、原発をめぐる問題に大きくシフトしました。その最初の成果です。原発問題そのものは別の出版社から出るのですが、うちからは福島の被災問題をどう考えるのかというテーマになりました。

 福島をめぐっては、いろいろな本があります。そのなかで、この本の大事なところは、それまで原発とか被災とか、そういう問題を真剣には考えてこなかった女子大生が、どのようにそれを理解していくかという視点でつくられていることです。

 このことは、いま、女子大生だけでなく、日本全体の問題になっていると思います。福島の問題を克服し、解決していかないと、日本の未来はないわけで、女子大生の目線というのは、実は国民全体にとって必要な目線なのだと思います。どうすれば、福島のことを全国民的な課題にしていけるのか、その秘訣がいっぱいつまった本だということです。

 ということで、本のなかにある学生の言葉を引用。ふたつだけ。

 福島から帰って、家族に3.11から止まったままの町があることや、福島の農業のために研究している先生のお話を聞いたり、風評被害とたたかう農家の方の様子を見たり、多くのことが学べたと話しました。家族も私も福島のことを、どこか遠いところの出来事だと考えていましたが、お互い反省して、「みんなが書く本で、少しでも多くの人に本当の福島の姿を知ってもらえるといいね」と話しあいました。

 福島に行く前は、とにかく不安がいっぱいでした。……浪江町の書類には放射線対策が書かれていて、本当に行っても大丈夫なのかと心配になりました。「マスクは必要?」「レインコートも?」「ゴム手袋は?」「靴カバーなんて持ってないよー」という声が教室に飛び交っていました。でも実際に行ってみると、福島市の方はマスクもしておらず、神戸や大阪と変わらない光景に驚かされました。