2015年9月1日

 昨日から東京。明日は気仙沼に向かうけれど、それ以外、今週はずっと東京。

 昨日は、『マルクスならいまの世界をどう論じるか』という本を書いてもらうため、その筆者と会っていた。いまどき、そんな本が売れるのかと思われるかもしれないが、きっとそこそこ売れると思っている。

 だって、最近、問題をマルクス主義的に分析することを公言する本って、ほとんどみかけなくなった。たとえばテロ問題。貧困だとか格差だとか、マルクスであろうが誰であろうが口にするような分析はあるけれども、イスラム諸国では生産関係がどうなっているのかとか、階級はどうなっているのかとか、そんな視点で分析したものって、ほとんど見かけない。

 中国をどう見るかについても同様だ。政権党が共産党だとか、指導部が社会主義だと言っているとかなんてのは、マルクス主義にとっては何の意味もない。基準になるのは現実の生産関係がどうなっていて、どういう方向に動いているのかだろう。

 そういう、律儀にマルクス主義って感じで、本を書いていただくつもりだ。どうなるだろう。

 夜は「自衛隊を活かす会」の会議。秋以降、どんな取り組みをするのかを議論していた。

 一つは、「戦場における自衛隊員の法的地位」をめぐる問題だ。国会審議のなかで、後方支援する自衛隊員が相手に捕まっても捕虜になれないのだ、という政府答弁があった。一般的に自衛隊員は軍隊構成員とみなされ、捕虜になる資格はあるのだが(これも政府答弁にある)、政府によると、後方支援は戦争行為ではないので、相手に敵対する行為でもなく、捕らえたら捕虜にするのという以前に、そんな自衛隊員を捕らえること自体が間違いなので解放を求めるという。

 なんと現実離れしているんだろう。そんな認識で戦場に派遣される自衛隊員はたまったものではないということで、その問題を深めたい。軍法会議の問題も、それなしに普通裁判所でやっているドイツの事例なんてのも、なんとか調べられないかと思っている。

 もう一つは、「南スーダンPKOの任務変更」。統合幕僚監部の資料が明るみにでているけれど、実際、任務変更をしたらどうなるかという問題を、スーダン人とかも交えて議論したい。