2015年9月14日

 忙しくて告知するのを忘れていました。『歴史認識をめぐる40章──「安倍談話」の裏表』ですが、先週末に発売になっています。

 発売時点でアマゾンで10冊程度あったものが、現時点(9時30分)で在庫1冊になっていますが、すぐに補充する体制はあります。なお、弊社サイトでご購入の場合でも、アマゾンと同様、送料は無料ですので、是非ご利用ください。

さよなら安倍/安倍談話・表紙(帯あり)

 日本の政治で「アベ的」なものが優勢になるきっかけとなったのは、歴史認識問題ですよね。河野談話(93年)、細川発言(93年)、村山談話(95年)とつづくなかで、侵略と植民地支配の誤りを認めてこなかった自民党政治が窮地に立たされ、安倍さんを押し立てて反撃を開始したわけです。

 その反撃は、かなりの程度成功したと言えるでしょう。世論のなかで右派が勢力をつよめ(とりわけネトウヨ)、その安倍さんを総理大臣にまで登り詰めさせたわけですから。安倍さんのもとで自民党は国政選挙で3連勝です。個別の政策課題では安倍政権への反対が多くても、選挙では自民党が勝つという構図がつづいています。

 来年の参議院選挙ではそうならない可能性も生まれてはいます。しかし、たとえ安倍さんを退陣に追い込んでも、安倍さんの後継と噂されるのは稲田朋美さんです。その稲田さん、ご存じのように、いわゆる「百人切り裁判」で弁護人をつとめ、敗訴したのだけれど、敗訴の記者会見で国政選挙に打って出ることを宣言したような方です。安倍さんを退陣させても「アベ的」なものは残るのです。「アベ的」なものが残って世論の支持を得ている限り、「アベ政治」と堕した自民党政治を退場させるのは簡単ではありません。

 そこに一矢を放ちたいと思って書いたのがこの本です。(続)