2015年9月30日

 こんなタイトルの記事、何回も書いているよね。はい、2カ月に1回行われる「生業裁判」に合わせ、傍聴できない原告のために講演会をやっているもので、その講師の調整をしている私は必ず来ることになっているんです。

 浜矩子さん(3月)、白井聡さん(5月)、藻谷浩介さん(7月)と来て、本日は大友良英さんでした。NHK朝の連ドラ「あまちゃん」の音楽を担当したことで、一躍有名になりましたよね。

 本日の講演テーマは、「もし「あまちゃん」の舞台が福島だったら」でした。興味津々でしょ。講演の前には、昼休み集会のあと、裁判所までデモするんですけど、それにも加わっていただきました(前列右端。左から2人目は白井聡さん。豪華!)。

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 いや、音楽家ですから、人前に出るのは慣れているでしょうけど、正直、合計2時間の講演はどうなんだろうと少し心配していたんです。そんな心配、なんのその。語りも完全なプロフェッショナルでした。

 なぜ「あまちゃん」の舞台が久慈になったのかからはじまり、その久慈が実際に変貌を遂げたこと(少しは)。なぜ福島が舞台にならなかったのか、コメディでとりあげるための条件等々、実際のドラマのとっても深い舞台裏とその意味を語ってくれました。

 最後に、福島の誇りをどう取り戻すかというお話があって、それが秀逸でした。青春の10年以上を福島で過ごしたが、そこがいやで東京に出てきて、福島に未練がないと思っていたのに、「ノーモア・フクシマ」という言い方に感じる違和感。なんだか自分の青春を否定されるような感じ。そこを克服し、誇りを取り戻すためにも、「生業訴訟」のように闘うこと、それを次につながる世代が見ていることが大事なのではないか。40年くらいたったら、あのときこんな闘いをやったんだよということがドラマになるかもしれない。そんなお話で、会場と完全に一体化していました。

 次に続く内田樹さんの講演も含め、5年目の3.11には本にしますので、ご期待下さい。大友さん、夜は、東京に戻る最終の新幹線まで、懇親会につきあってくれるそうです。昨日まで9日間もベトナムで仕事しておられたのに、本当にありがとうございます。