2016年2月22日

 野党候補の一本化が現実味を帯びてきた。だが、安倍さんの支持率は依然として巨大なままで、野党の支持率は低迷を脱していない。そこから抜け出せるのかが、どうしたら抜け出せるのかが、これからの焦点になっていくだろう。

 構図がなかなか変わらない原因はいろいろあって、経済問題もある。この点でアベノミクスが破綻することを待ち望む考え方もあるが、経済がうまくいかなくなればなるほど、野党にまかせるという気持ちが萎えてくるという世論の現実もあって、そう簡単ではない。この打開策は、いま考え中。

 安保法制の廃止をめぐっても、いろいろあるようだね。たとえば、ある選挙区では、安保法制の廃止はいいとしても、それに替わって民主、維新が出す対案の評価が沸騰しているそうだ。「これでは安倍さんが成立させた現行法より悪くなるから、民主の候補者を推すなんてとんどもない」という声も出ているとのこと。

 そこまでいかなくても、もともと基本政策が異なる政党同士だから、自分と異なる党の候補者に投票するくらいは仕方ないとしても、選挙活動を熱心にできるかというと、かなり疑問だろう。だけど、ただでさえ野党の支持は低迷しているわけだから、それに加えて選挙活動に力が入らないとなると、敗北は必至だ。

 こ民主、維新の対案というのは、要するに、安保法制のうち、集団的自衛権に関わる部分だけは廃止しようというものだ。そこの評価に関わる難しい問題である。

 私としては、「それだけでもすごく立派だよね」ということは強調しなければならないと考える。だって、集団的自衛権の行使容認というのが世論が反発してきたことだし、国会審議の転機となった衆議院憲法調査会での3人の憲法学者の見解表明も、集団的自衛権の部分に違憲だというものだったわけだ。

 ただ、ここは法律解釈の問題だ。実態面で見ると、まさに南スーダンPKOがどうなるのか、どうするのかが最大の焦点である。

 これは集団的自衛権とは関係のない分野。だから、民主、維新の対案でも「駆けつけ警護」が容認されている。

 民主党は南スーダンPKOを否定したくない。だって、南スーダンPKOって、民主党政権時代に開始されたものだからね。

 私も、当時の民主党の選択が間違っていたとまではいわない。だって当時は、独立したばかりで、その国を助けるという崇高な使命があったと思う。

 だけど、事情が完全に変わってしまった。ここに自衛隊がいっている限り、駆けつけ警護の任務を与えるかどうかに関わらず、殺し、殺される時が近づいている。

 駆けつけ警護の評価にかかわらず、ここは撤退しかないという世論をつくるしかないだろうね。現行法制でも駆けつけ警護が可能だし、民主、維新の対案が可決されても駆けつけ警護は可能なのだが、その評価は脇においても、とりあえず「撤退」しかないという世論づくりだ。

 さて、どうするか。28日の自衛隊を活かす会の仙台企画をお楽しみに。