2016年7月1日

 本日の「赤旗」に参院選の法定2号ビラの内容が載っていますね。「自衛隊どうする? 疑問にお答えします」というタイトルで出すらしいです。

 3つのブロックに分かれているんですが、その最初のところにこうあります。「国民の命を守るために自衛隊に活動してもらう」。これは跳躍しましたね。

 先日、「藤野発言の背景を考える」という記事を書きました。そこでは、侵略などに際して自衛隊に働いてもらうという方針が共産党にあるといっても、2つあるのではと以下のように書きました。

 「一つは、日本防衛というか日本国民の命を助けるために、いまは自衛隊が必要だという立場だ。将来は自衛隊が不要になる時代が来ることは確信しているが、いまはまだそこまでにはなっていないという立場」
 「もう一つ。日本防衛のために、いまでも自衛隊は不要で、憲法九条にもとづく平和外交で十分だと考えているが、そういう考え方が国民(他の野党)の理解することにならないので、理解が進むまでは自衛隊をなくすとは言えないという立場」

 法定ビラの表現は、おそらくですが、このうちの前者の立場をとるということですね。これまで、侵略や大規模災害で自衛隊に働いてもらうという表現はありましたが、「国民の命を守るための自衛隊」という言い方をしたのは初めてです。

 これでどれだけ失態を挽回できるのかは分かりませんが、この線で進んでいけば、共産党と国民、とりわけ保守的な方々との気持ちが接近することは明らかです。がんばってほしいです。

 このビラの最初のブロックの全体の見出しは、こうなんです。「憲法を守ることと、国民の命を守ることの両方を追求します」。

 そうなんです。これが大事なんです。

 この両方を守ることは矛盾するんですよね。しかし、両方とも大事だと国民多数が感じてもいるわけです。

 よく、「自民党政権がつくりだした矛盾だ」といわれることがありますが、そういう言い方は適切ではないと思います。そんな矛盾なら、政権をとってただちに解消すればいいわけですから。

 そうではなくて、国民の気持ちが矛盾しているんです。その国民と気持ちを共有しながら、矛盾を国民の気持ちとして抱きしめながら、一歩ずつ解決していくことが大事だと思います。

 この間、「禍転じて……」という言葉をいろいろなところから聞きましたが、そうなるかもしれませんね。楽しみです。