2016年7月8日

 本日の「朝日」の詳細な情勢分析が出て、各社のものが出そろいました。詳しく見ると、序盤に比べて、野党共闘と共産党の「失速」を指摘するものが多いですね。

 「野党4党が32の改選1人区で共闘し一本化した候補は全体として伸び悩んでいる」(毎日6日)
 「一方、野党が先行する選挙区は、前回参議院選でも野党が勝利した岩手、沖縄に加えて山形だけで、序盤の7選挙区から減った」(共同7日)
 「共産は、序盤では13年の5議席を上積みする勢いだったが、やや伸び悩み、13年並みにとどまりそう」(朝日8日)

 「週刊朝日」には、「安倍首相に神風? 参院選・共産躍進が“あの一言”で大誤算」というタイトルの記事が出ています。そのなかで、「失速」の原因が藤野発言にあることが指摘されています。

 記事では、「赤旗」にもよく出る政治ジャーナリスト、角谷浩一氏が登場。次のようなコメントを寄せています。

 「前回予測では野党への期待値が高かったものの、思わぬ逆風を受けているのが共産党です。公示4日後のNHKの日曜討論で、藤野保史政策委員長(当時)が防衛予算について、『人を殺すための予算』と失言し、攻めから守りの選挙に変わってしまいました。志位和夫委員長ら党幹部が野党共闘などで柔軟な姿勢を見せて、支持層の拡大を図ってきたのに、まさかの失速。複数区で勝機が見えていた候補者が、伸び悩み始めました」

 ま、そうだと思うんです。だから法定2号ビラを出したんでしょうし、そのなかから自衛隊問題だけを取り出し、「赤旗」号外も出ていますし。昨夜、この号外を受け取って、びっくりしました。それだけこの問題で痛手を受けていて、ここを突破しない限り勝機が見えないことを自覚しているわけです。

 私は、ここを突破できるとしたら、あの発言の翌日の記事「「人殺し防衛予算発言」に抗議集中せよ!」に書いた通りだと思います。「共産党がこの逆風を10分の1でも乗り切れるとしたら、共産党関係者が藤野発言を怒っているということが、国民にリアルに伝わるときだけでしょう」ということです。

 この点ではまだまだですよね。辞任の衝撃は大きくて、それなりに効果的だったと思いますが、共産党関係者のなかには、「本質的には人殺し予算だろ」とか「あの発言は批判せずに自民党の反撃は批判している」とか、そんな感じがまだまだあります。

 「現場の共産党関係者がいちばん怒っている」という感じが国民に伝わっていないんです。そこがカギだと思います。まあ、伝わっていないじゃなくて、実は怒ってもいないのかもしれませんけど。その場合、どうしたらいいんでしょうね。