2016年7月6日

 中盤戦の予想が出ていますね。整理するとこんな感じでしょうか。

 3年前は31の1人区の内、与党が29議席を獲得したのに比べ、今回、32の1人区の内、競り合っているのが増えてはいますが、野党が2桁に乗せるのは簡単ではない。比例代表では共産党は伸びそうで、民進党も前回の7議席よりは増えるが改選議席には及ばずに負けたという印象になりそう。一方、比例でも自民党の勢いは止まらない。

 ただ、1人区で前回が与野党29対2だったということは、野党の比率はわずか6.5%だったわけですね。今回、野党が8議席でも、比率は25%へと4倍増になるわけで、野党共闘に意味はあったということになると思います。この比率をどれだけ伸ばせるかが、今度の選挙の最大の焦点なので、最後までがんばらなければなりません。

 問題はその後ですよね。安倍政権に追いついて、追い越すにはどんな課題があるのかです。

 やはり、どの調査でも優勢が伝えられる沖縄から学ぶことだと思います。野党共闘が沖縄型共闘に発展させられるかです。

 沖縄型は、安保条約を支持する翁長さんを安保を否定する革新が支えるという点で画期的でしたが、その点は、すでに野党共闘も追いつきました。沖縄と異なり、そういう共闘のあり方をめぐって選挙戦で活発な議論がされているので、その議論を進めていけば、さらに実りのある共闘になる可能性があります。

 さらに沖縄型は、安倍さんについて行けない保守が目に見える形で入っていることが、野党共闘とは異なるところでしょう。翁長さん以下、元自民党の議員もたくさん入っていますし、財界も入っていますし。

 今回の選挙情勢調査を見ても、野党が競っているところは、保守層にも支持が広がっているとされています。保守と革新を比べたら、圧倒的に保守が多いんですから、そこに支持されないと、自公には勝てないでしょう。

 安倍さんがどんどん前に進むなかで、自民党を支えていた人が反旗を翻すのを、どうやって促進するかが大事です。柳澤協二さんのように、少なくとも安全保障面では安倍さんと袂を分かつ人は出ているわけですが、それを経済面とか、財界とか、そして政治家とか、どうやって広げるかです。

 選挙が終わったら、それらを熟慮した本が、次々と弊社から出て来るはずです(言い過ぎかな)。がんばりますね。