2016年7月20日

 久しぶりに「自衛隊を活かす会」ネタ。5月末にやった企画の文字起こしをしたものをアップしました。ご存じかと思いますが、動画はいち早くアップしますが、テキスト版が正式のものですので、よろしくお願いします。

 ミサイル防衛について、参加者から渡邊隆元陸将に、「本当に必要なものなのか」という質問がありました。渡邊さんが、それに対して、「本音」で答えているのも注目です。以下、関係部分。

 「ご質問ありがとうございます。どちらも非常に答えづらい質問です。
 MD(ミサイルディフェンス)が本当に必要かどうかという問いに対して、もし私が制服を着た現職自衛官であれば、どのような立場であっても、絶対に必要ですとお答えをしただろうと思います。ただ、私は辞めてOBになっておりますので、本音と言いましょうか、それを言わせて頂くと、MDが必要であるかというよりも、MDが本当に具体的に実行出来るのかどうか、実行の信頼性について非常に疑問と言いますか、そこが大事なのではないかと思っております。
 ただ、MDの他に弾道ミサイルに対処する具体的な方策を我が国が持っているかと言われると、実はMD以外に何も持っていません。もし、例えば、我が国が特殊部隊を現地に送り込むことはいつでも出来るであるとか、いつでも爆撃機を飛ばして、相手の基地をすぐに叩いてしまうことが出来る能力を持っているだとか、そういういろいろなオプションの中の一つとして選ぶことが出来るのであれば、MDというのは非常にお金のかかるオプションだろうと思います。ただ、他のオプションが何も無い状況で、そのオプションしか選ぶことができないのであれば、いくら高かろうが、不確実であろうが、とりあえずそれに頼っていくというのが、今の1つのオプションなのかなと思います。
 むしろ、私は国民の前にいろいろなオプションを提示してみせることこそが、政治の役目なのではないかと思ったりもしております。お答えにならなくて大変恐縮です。」

 これで南シナ海、南スーダン、北朝鮮と関係企画は終わったので、11月頃には本にしたいと思っています。今後、秋は戦場におけるドイツ兵の法的地位の研究を進め、何らかの企画をするかもしれません。12月24日に丸一日かけてやる「自衛隊は尖閣を守れるか」もご期待下さい。

 なお、「自衛隊を活かす会」はそれなりに役割を果たしていると思うのですが、これをどうしたらもっと多くの人に知らせていくのかが課題です。そこで今月末、30歳前後(一部40歳台)の方をお招きし、柳澤さん、伊勢崎さん、加藤さん(私もですが)に対して率直にご意見していただく場を設けました。参加ご希望の方は、私にメールください。