2017年8月1日

 先日、「「民進は原点に戻れ」の前原さん見解に賛成」という記事を書いた。それについて、いくつか賛同もあり、同意できないという方もあったので、もう少し書いておく。

http://www.kamogawa.co.jp/~hensyutyo_bouken/?p=3063

 安倍政権を倒したいという強い願いを持っている人が少なくない。そのうちのある人々にとって、安倍さんとは超右翼の超タカ派である。そう思っている人ほど、安倍さんに対する拒否感情は強い。

 全力でその道を進む安倍政権を追い詰める上で大事なのは、たとえ保守であっても協力しあうような、幅広い戦線をつくりあげることだ。それは沖縄でまずあらわれて、「オール沖縄」という元自民党と革新との共闘ができあがった。この間、そこに不調があらわれているのは、革新色が強くなりすぎて、保守層の離反が起きているからに他ならない。

 安倍政権を倒す上で、安倍さんの路線にはついて行けない保守と、革新派の団結が必要なことは、本土でも同じである。国民にとって保守と革新が団結しているように見えないと、安心して投票することはできない。

 本土ではしかし、沖縄のように、自民党から離反する動きは見えていない。保守リベラルを結集できるとしたら、「すぐに改憲は必要ない」と明言した岸田さんだったが、結局、次の内閣改造でも内部にとどまることになっている。自民党内部にも個々には不満があるようだが、自民党というのは、その内部の不満を吸収するということでは、長年の経験があるわけだ。

 ということで、保守色の強いリベラル層の行き場がなくなっているのが現状である。この人たちは、どんなに時代が変わっても、安保廃棄や自衛隊解消を掲げる共産党には付いていかないし、民進党が共産党と安全保障面などで妥協するのなら、民進党にも付いていけない。

 いま求められているのは、だから、明確な保守であって、かつ安倍さんの路線とは異なってリベラルな立場を堅持する政党である。そのポジションを得られるとすると、民進党しかない。共産党が安全保障政策で抜本的な転換ができれば違ってくるかもしれないが、それは無理だと思うし。

 ところが、民進党のなかでは、自分たちがどんな社会を提示するのか、それは安倍政権が進む道とどう違うのか、まともな議論がされていない。それが十分でないまま野党共闘ということになると、保守層にとっては共産党に引きずられているように見えてしまう。民進党が共産党と近づきすぎると、野党共闘には魅力がなくなる。多様性が感じられなくなる。

 だから、民進党は、安倍自民党とも共産党とも違う立ち位置を明確に持って、そこに国民の共感を集めることが大事である。その上で、自分たちが進む道を切りひらくためには、安倍政権を打倒することが肝心で、そのためには野党共闘が求められるという話の順序にならないと、保守層にとって野党共闘の魅力も生まれてこないだろう。

 代表選挙をきっかけに、民進党内での議論が活性化することを期待する。枝野さんと前原さんは、ニュアンスの違いはあるけれど、そのことをよく分かっているように思える。民進党が生まれ変われるとすると、ほとんど最後のチャンスではないか。