2017年11月21日

 来年の3.11を前にして2冊、マルクス生誕200年の5.5を前に3冊を出そうと思っていて、大忙し。その間に、泥さんの1周忌で憲法記念日の5.3には、『泥憲和の思想と行動』も出そうということになっているんです。

 それなのに、今週の土日も人前でお話しなければならない。大丈夫かなあ。仕事はちゃんと進むかなあ。

 土曜日は神戸市西区・西神ニュータウン9条の会。タイトルは「対米従属の謎──どうしたら自立できるか」って、本のタイトルそのまま。まあでも、北朝鮮問題でもこれは問われているわけで、本とは違うこともお話しします。ご関心のある方は、14時からですので、地下鉄の西神中央駅で降りて徒歩数分の西区民センターの2階会議室へどうぞ。翌日も仕事があるので、わたしは懇親会などには参加せず、帰りますけど。

 日曜日は同じく神戸市北区の9条の会。チラシにあるように、柳澤協二さんが「憲法を活かした安全保障とは」をお話しするのですが、第2部は「憲法改正国民投票に勝つカギは」と題して、柳澤さんとわたしとが対談します。自衛隊を活かす会の代表と事務局長が対談するって、なんだか変ですね。まあ、いいか。

2017???? A4-再校

 ところで、「国民投票に勝つ」って、どういう状態を指すのでしょうか。安倍さんの加憲案を否決すれば、それで「勝った」ということになるのでしょうか。もちろん、そういうことは可能でしょうが、違うような気もしますね。だって、それだけだと、いまと何も変わらないということですから。

 加憲案が否決されれば、これから100年は改憲が政治の課題に登ることはないでしょう。それを是とする人はいると思います。だけど、いまと何も変わらないということは、新安保法制は残るということで、「戦争する国」になったままです。護憲派の気分だけ「平和な国を維持できた」ということになる分、護憲派が大事なことに挑む気持ちさえなくなるような気もします。

 「良かった、良かった」ということで、自衛隊が抱えている矛盾も、そのまま放置されることになりかねない。「日本防衛」という課題がますますリアルなものとして自衛官にのしかかっているのに、その際、どういう交戦規則で戦うのか、敵の殺戮はどこまで許されるのか、民間人を巻き込んだときの責任は誰がどう果たすのか、等々。

 ですからわたし自身は、「勝った」ことの基準は、国民投票の議論を通じて、日本の安全をどうしていくのかについて、国民のなかでの議論が旺盛にされるかどうかだと考えます。九条の会の人を前に、どこまで言うかは節度が求められると思いますけれどね。