2018年3月28日

 マルクスについて2日連続で学び続けるという、ちょっと現在世界ではあり得ない試みを終えた。それについてはあとで書くとして、そのおかげで佐川さんの証人喚問を見ずに済んだ。見ても新しいことは聞けないだろうと思っていて、結果はその通りだったわけだから、テレビでストレスをためるより、勉強のほうがずっと幸せだったよね。

 ところで、佐川さんが証言しないことの理由に挙げた「刑事訴追される恐れがあるから」という問題である。いろいろ聞いてそれを理由に証言拒否されるより、その理由そのもののおおもとに誰か切り込んだのだろうか。

 議院証言法によって、証人喚問では嘘をついてはならないとされていて、証言を拒める唯一の理由が「刑事訴追される恐れがあるから」ということになっているのだから、証言したくない場合、誰でもそれを理由にもってくる。当然のことである。

 でも、「刑事訴追される恐れがあるから」というのは、なぜ証言拒否の理由になるのだろうか。それを追求してほしかった。

 だって、もし検察の捜査に対して何かを答えていて、それと同じことを国会でも証言するなら、証言をもとに刑事訴追されることにならない。すでに検察に対して同じことを答えているのだから、刑事訴追されるのは、検察での証言が理由になるのである。

 ということは、「刑事訴追される恐れがあるから」国会で証言を拒否するというのは、国会でウソをつかないようにしようとすると、検察に対して話しているのとは別のことを証言することになるということだ。つまり、佐川さんは検察に対して、ウソの証言をしているということなのである。

 そこには理がある。だって、検察の捜査に対してウソをついたって、そのことで罪に問われることはない。容疑者がウソをついても、そのウソをいろいろな証拠で暴いていって、ウソだったと認めさせるのが検察の仕事の醍醐味だからだ。容疑者は罪の重さで裁かれるのであって、検察に対するウソの重大さや回数は罪の重さとは関係ないのである。

 だから、佐川さんが「刑事訴追される恐れがあるから」証言を拒否すると言ったら、「検察には今のところウソをついているんですね」、「正直にしゃべると刑事訴追される可能性があるんですね」と聞いてほしかったのである。残念。