2018年4月16日

 どういうことかと言うと、ソ連の支配下にあった東欧の国の姿が、安倍さんとダブって見えるということです。明日から訪米ですから、一応期待を表明してはおきますけれど。

 私がまだ青年の頃、ソ連や東欧の国の代表も参加する国際会議に参加することがありました。そういう場合、例えば核問題に対するソ連の立場について、核廃絶などを正面に据えないで、部分的な措置(ICBMなどの削減交渉)ばかりやっているなどと批判すると、ソ連のまわりに据わっている東欧諸国の連中が、いっせいに襲いかかってくるわけです。やれ現実を知らないだとか、段階的にやるのが効果的なのだとか。これがまず、アメリカから圧力を受けて核兵器禁止条約に反対表明した安倍政権にダブります。

 しかし同時に、ソ連が態度を変えることもあるわけですね。とくにゴルバチョフが出てきて、核兵器廃絶を重視した時期があります。そうすると、当時、「反核青年連合」と呼ばれましたが、核兵器廃絶のための世界規模の統一行動をやるという機運が高まります。

 日本にとっては、かねてからの自分の主張の実現なので当然、歓迎するのですが、みじめなのは東欧諸国です。それまでずっとそういう考え方を批判していたわけで、ソ連の転換についていくのに苦労するのです。ソ連は自分で変えるわけであって、それなりに議論をした結果です。ところが東欧諸国にとっては、なぜそんなことになるか分からない。しかしソ連と違うことを言えないので、納得しないまま追従するのです。

 そこがね、訪米する安倍さんとダブるということです。要するに、衛星国家というのは、自分の頭で考えることを許されない国家です。まあ、自分でそれを選択しているので、結果も甘んじて受けるしかないんですけど。

 しかも、当時のソ連が態度を転換したといっても、そこはやはりソ連でした。結局、核問題で成果を得るにはアメリカと仲良くなろうという路線で(それ自体はいいんですけど)、屈服していくことになるのです。核問題で何の成果も得られないままです。そして最後は崩壊。普通、頼っていた国が崩壊したからといって、そう簡単にまわりの国まで崩壊するって考えられませんが、身も心も従属していた東欧諸国は、あっけなく全崩壊することになりました。

 アメリカが対話路線に踏み切ったっていいますけど、そこはやはりトランプさんなんですね。安倍さんが「100%ともにある」相手はね。ソ連の崩壊で東欧諸国が崩壊する結果になったことまで、ダブらないようにしたいものです。