2018年7月9日

 この連載の目的を達成したので、終了することにします。同じようなテーマの記事は今後も書くでしょうけれど、

 「目的」とは、いうまでもなく『9条「加憲」案への対抗軸を探る』の販売の促進です。土曜日の夜あたりから、アマゾンの憲法部門で第一位となり、いま記事を書いている月曜日の朝まで継続しています。いつまでも続くわけではないでしょうけれど、正のスパイラルに入っていくとうれしいな。「赤旗」に感謝です。

 そこまで行かなくても、すでに「赤旗」の広告が載らないことによる損害は、本日までで十分に回収したと思われます。昔は、「赤旗」に広告なり書評が載ると、知的な読者層が多くて反響が大きかったのですが、最近、「赤旗」を見ていわゆるその系列の書店で買ってくれる人の割合は、弊社の本でいうと総売上の1%程度になっていますしね。

 安倍さんは元気を回復したようで、総裁選挙での3選も見えてきましたね。そうなると、改憲発議と国民投票に突っ込んでいくことと思われます。『9条「加憲」案への対抗軸を探る』ことがますます大事になってきます。

 山尾さんと愛知で対談する過程で聞いたことですが、護憲派のなかには、山尾さんの「立憲的改憲論」が党内でも賛成が広がっていなくて、孤立しているという考えがあるようです。それは全然違っていて、小林よしのりさんに枝野さんが招かれた時だったか、枝野さん自身が「自分も立憲的改憲論だ」とおっしゃっていました。だから、最近、党の憲法調査会で、事務局長の大役を任されることになったわけです。山尾さんを護憲派が疎んじることは、立憲民主党そのものを別の道に追いやる行為だと感じます。

 ただ、その枝野さんが、同じ流れで、「政治の現実のなかで何を当面打ち出すかが大事だ」とおっしゃっていて、それが安倍首相のもとでの改憲はダメということでしょう。そこで一致するのは大事なことです。だけど、それは山尾さんも同じなんですね。

 いずれにせよ、大事なのは、『9条「加憲」案への対抗軸を探る』ことです。その回答えはすでに分かっているとして、他の立場を排撃することではなく、いろいろな立場を十分に吟味し、どう協力し合えるかを探ることです。この本が、そのきっかけとなったらうれしいです。

 なお、9月にも「赤旗」に広告掲載を拒否される本を出します。拒否が分かっているけれど、一応、広告案はつくって「赤旗」に提出します。断られたという事実がないと、こういう連載も迫力が出てきませんからね。マルクス関係の本です。お楽しみに。