2014年9月2日

 筑摩書房の読書人向けPR誌に「ちくま」というのがあります。岩波の「図書」のようなものですね。

 そこで文芸評論家の斎藤美奈子さんが「世の中ラボ」という書評欄の連載をもっています。9月号で54回目になるんですね。

 その54回目、「集団的自衛権をちゃんと勉強しよう」というもので、4つの本が取り上げられています。柳澤協二さんの『亡国の安保政策』(岩波書店)、石破茂さんの『日本人のための「集団的自衛権」入門』(新潮新書)、豊下楢彦さんと古関彰一さんの『集団的自衛権と安全保障』(岩波新書)、そしてなんと私の『集団的自衛権の焦点 「限定容認」をめぐる50の論点』(かもがわ出版)でした。

 いや、そうそうたる著者のなかで、なんだか私だけ浮いている感じ。でも、感謝。

 内容の詳しい紹介はしません。私の本の紹介部分だけ抜き取るには、複雑な構造になっているのでね。最初に、柳澤さんと私の本について以下のような総括的な感想をのべつつ、2つの本のエッセンスを紹介してくれます。

 「やや観点の異なる2冊を読むと、この案件は「日本は戦争ができる国になる」というほど単純でもないかわり、「これで日本の防衛が強化される」というほど有効でもないことがわかるだろう。いやむしろ、今回の解釈改憲=閣議決定で日本の治安は悪化するのではないか、という不安さえ頭をよぎる」

 そのような角度で、最後に石破さんの本を批判するというのが、この書評の構造です。そのなかで岩波新書が少し引用されるという感じ。

 これらの本のなかでの私の本の位置づけは、最後にある3つの本(岩波新書を除く)の紹介文で尽きているかな。以下の通りです。

 「著者は外交・安全保障を専門とし、10年以上前から集団的自衛権を批判してきたジャーナリスト。安保法制懇が提出した報告書をもとに、集団的自衛権のA〜Zを懇切丁寧かつ批判的に解きほぐす。語り口は穏やかだが、アメリカしか見ていない首相と法制懇が考える集団的自衛権は、冷戦後の国際的な流れとちがって「一国平和主義ならぬ二国平和主義」だと語るなど容赦がない。最初の1冊としてはこれがオススメ」

 まず、私の本を買いなさい(読みなさい)ということです。うれしいですね。「ちくま」9月号は、数日後くらいから大手書店におかれると思います。