2015年12月7日

 先週木曜日、こういう本を書きたいと宣言し、週末にいろいろ手を打ちました。その結果、ぐっと現実味が増してきました。ある出版社が関心を示してくれたのです。

 ただ、当然のことでしょうが、そんなタイトルの本が商業的に成功する見込みは薄いということでした。だから、その前にべつの本を書かないかというのが最初の申し出でした。

 どんな本かというと、なぜ日本は対米従属なのか、その理由、原因を書くというものです。実態としてひどいことは指摘するまでもありません。その原因として安保条約や地位協定を強調する見解もあります。だけど、NATO条約やNATO軍地位協定だって、細かな違いはあるけれど、本質的に別物だとは思えない。なぜ日本だけがいつまでも従属国家なのかということを探る本を書いてほしいというものでした。

 それって大事なことで、これまでもバラバラとは書いてきたつもりですが、まとまってはいなかった。だから、この際、本にしてしまおうと思いました。

 私の考えは、その出版社がいうように従属問題単体で出すのではなく、その補論に、「共産党の安全保障政策の変遷」を持ってこようというものです。本の章立ては以下のようになります。

タイトル 対米従属の謎──なぜ70年経っても変わらないのか
はじめに
第1章 従属の原点──日本「独立」の特殊性
第2章 従属の形成──行政協定から地位協定へ
第3章 従属の展開──沖縄返還交渉と慣行の慣習化
第4章 従属の深層──保革両派の軍事戦略の欠落
おわりに
補論 日本共産党の安全保障政策の変遷

 なぜ補論にこれが必要かというと、日本に独自の軍事戦略がないことが、真の独立を妨げている重要な要因だと感じるわけですが、共産党は、その安全保障政策を確立しようとする歴史のなかで、そこを打破しようとした局面もあったからです。いわゆる「中立・自衛」政策です。そして今回、国民連合政府で自衛隊の活用を打ちだしたことによって、再びそこに挑む可能性があるからです。

 問題は時間ですよね。補論だけだったら2週間で書けると思っていましたが、これ全体を書くには2カ月はいるでしょう。『自虐も栄光も超えて──安倍晋三氏への手紙』も必死の勉強を終えて、年末から書き始めようとしていたわけですが、どちらを優先するか悩ましいところです。