2017年7月6日

 先日、『若者よ、マルクスを読もう』の著者である内田樹さん、石川康宏さんを、ご両人の住居の中間地点である芦屋にお招きし、暑気払いをしてきました。前日まで兵庫県知事選挙で頑張っておられたお二人なので、その慰労も兼ねてということで。

 まあ、本心は、「若マル」の今後です。ⅠとⅡを刊行し、その次に昨年9月、番外編として『マルクスの心を聴く旅』をだしましたが、その次をどうするかでご相談があったわけです。

 当初、エンゲルスの著作に挑もうとしていたんですが、ちょっと軌道修正をしたいと思ったのです。なぜかと言えば、来年がマルクス生誕200年になり、その話題で盛り上がることになるので、やはりマルクスの著作を論じ合うのがいいんじゃないかということです。

 マルクスの著作で残っているのは、パリ・コミューンを扱った『フランスにおける内乱』と『資本論』。それだけでは1冊にならないので、200年を記念した対談を来年の5月5日(マルクスの誕生日)までにどこかで実施し、それをあわせて1冊にしようという野望を抱きました。

 で、その対談をする場所は京都が第一候補なんですが、もしどうせならベルリンとかでやろうとなったときのため、『マルクスの心を聴く旅』を主宰してもらった旅行社にも声をかけておきました。結果は野望通りということでしょうか。

 来年3月26日(月)から4月1日(日)の日程で、マルクス生誕200年のツアーをやります。行き先は、なんとアメリカです。

 アメリカを訪れるという、旅行社提案の意外性が良かったかもしれません。何と言っても、マルクス200年のツアーですからね。

 でも、私としては、なかなか気に入っています。マルクスが変革しようとした資本主義が一番発達している国ですからね。トランプを誕生させたラストベルト地帯を見てくるのにも意味を感じます。

 同時に、サンダース現象が起こりましたが、彼が提唱した「社会主義」を考えるツアーにもなればと思います。日本の社会主義者にとっては、アメリカで社会主義を唱える人がいても、「何をたわけた言っているのか」という感じではないでしょうか。ヨーロッパの水準にも達していないのに、社会主義が問題になるわけがないだろうという感じです。

 だけど、本当にそうなんでしょうか。これまで、資本主義の発達が遅れた国が社会主義をめざす革命をやったことで、さんざんそのツケを後世の世代が払わされてきたわけですが、やはり社会主義というのは、資本主義が成熟し尽くしたところで見えてくるのかもしれません。そうなら、やはりアメリカで議論されている社会主義を知るのは、不可欠なことのように思います。