2017年7月25日

 与党が衆参で3分の2を占めているうちに改憲の国民投票に打って出ることは予想していて、その状況にふさわしい本を書く準備をしていた。そうしたら、安倍さんが5月3日に加憲案を出してきたので、本気になって書き出すことになった。

 現在、「はじめに」と第一章、第二章、第四章ができている。長沼訴訟の全記録に目を通しつつ、第三章を来月中に書き、九月に全体を見直しながら、終章と「あとがき」を書く予定。

 これまでの出版社とは違うけど、どこかの新書で出してもらうつもり。現在の護憲派の論調とはかなり違うけれど、私は賛成、反対で世論を分断されるのは好まないので、真ん中あたりで迷っている人をねらいたい。

 タイトルは衝撃的なので、近づくまで秘密です。以下、目次。

第一章 護憲派とはどういう人のことか
 1、非武装の改憲派、専守防衛の護憲派の登場
 2、専守防衛か非武装中立かの対立は昔から見せかけだった
 3、安倍首相の加憲案とどう向き合うのか

第二章 戦争と平和は対義語なのか
 1、侵略戦争と同じ数だけの自衛戦争がある
 2、戦争と平和は通じ合っている
 3、戦後の世界で、戦争は減少する傾向にある

第三章 国民の命を守るのが憲法違反か(未)
 1、戦後の憲法闘争の到達としてのイラク訴訟
 2、長沼訴訟における自衛隊違憲論の研究
 3、自衛隊違憲論、合憲論を総括する

第四章 矛盾に満ちた共産党の防衛政策の分析
 1、「中立自衛」政策のもとでの矛盾と葛藤
 2、憲法九条を将来にわたって堅持する時代の矛盾
 3、野党共闘で矛盾を乗り越えられるか

終 章 護憲を選ぶことによる矛盾は護憲派が引き受ける(未)

 これを書きおえ、加憲案に対する護憲派としての私の立場を豊かにすることができたら、小林よしのりさんに議論を申し出ようかな。それで、2年ほど前に参加させてもらったゴー宣道場「憲法9条で日本を守れるか」とあわせ、弊社から共著を出したい。NHK的にいうと小林さんはいまや左翼で、左翼と左翼が議論するのでは面白みがない、ということになるかもしれませんが。