2017年7月11日

 那覇市議選挙の結果は複雑ですね。先々週の沖縄訪問で一緒に飲んだ友だちを筆頭に共産党は議席を増やしましたが、その際にお会いした新風会(自民党を除名された保守のグループ)の方などは落選し、全体として改選前にはあった過半数を確保できないという結果に終わりました。この間、市長選挙でも連敗していますしね。現地でも「オール沖縄」の未来を心配する声が多かったという印象がありました。

 結論から言うと、本日の琉球新報が大きな見出しで書いているように、「保守層が「オール沖縄」離れ」ということだと思います。共産党は伸びているが、それと手を組む保守の議員は、保守層の支持を得られなくなっているということです。

 原因は明白でしょう。「オール沖縄」の主張から保守色が見えなくなっているということです。

 「オール沖縄」というのは、保守の翁長さんを革新が推すという形でスタートしました。その翁長さんは日米安保を維持する立場であって、革新との一致点は「辺野古の県内移設反対」だけと言ったら言いすぎですが、それが基本でした。

 ところが、沖縄では基地をめぐっていろいろ問題が起きます。この間で言うと、高江もありましたし、那覇軍港の問題もあります。そういう問題では、やはり政府のやり方に反対するという声が強くなりがちで、翁長さんが慎重に対応しようとすると反発が押し寄せるわけです。そして結局、革新の主張が通ることになるので、いまや「オール沖縄」に保守色を感じる人はどんどん減っている状況です。

 いま、沖縄の革新のなかには、「オール沖縄」への支持が減っているのは、高江などで知事の対応がぶれたからだとして、革新と同じような対応を求める声があります。どれだけ大きいか知りませんが。

 でもそうなると、もう「オール沖縄」とは呼べないかもしれません。ますます保守層は離れていく。来年1月に名護市長選挙、秋には知事選があるわけですが、なかなか大変な状況です。

 ここで翁長さんが保守色を出せるとしたら、やはり安全保障政策だと思います。自衛隊をどう使うのか、日米安保の機能をどう日本防衛に使うのか、政府が考えるべきことですが、沖縄からも声を発信していって、沖縄の保守というのは本土の保守と違って本格的だなと思ってもらえるようにすることです。新風会の方とは、そういう議論をしてきたんですが、市議選には間に合いませんでしたね。

 自衛隊を活かす会の9.30沖縄企画(「沖縄から模索する日本の新しい安全保障」)は、そういう位置づけで準備したいと思います。革新との間で多少のいざこざがあったとしても、やらなければならないと思いました。是非、本土からもご参加を。