2013年5月31日

 戦後の世界政治というのは、「自衛」をかかげた侵略の歴史でもあった。一方、だからこそなのであるが、自衛と侵略をどう区別するかという議論の歴史でもあった。

 自衛権というのは、国際法上、三つの要件が必要とされる。第一は違法性の要件であって、武力攻撃をうけたということだ。第二は必要性の要件であって、武力で反撃する必要があるというか、外交手段では解決しないというものだ。第三は均衡性の要件であって、相手の侵略の規模に均衡する程度の反撃にとどめなければならないというものだ。
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2013年5月30日

 「戦争は自衛の名の下に始まった。自衛と侵略を区別することなどできない。だから、自衛権は当然という考え方は誤りだ」という見方がある。平和運動の側にたつ方からよく出される。

 これは、物事の一側面をあらわす考え方ではある。日本の侵略も「自存自衛」で始まったのは事実だ。最近、集団的自衛権を論じたところで書いたが、戦後、集団的「自衛権」が行使された実例は、ほとんどが無法な侵略の代名詞であった。個別的「自衛権」の発動にも、同様の問題があった例は少なくない。
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2013年5月29日

 慰安婦問題での記者会見が話題になっているが、そのなかで河野談話の問題点を突いた箇所は、よくよく考えるべきところである。河野談話が強制連行の有無という核心的な論点を逃げているという批判である。

 いや、河野談話は強制性を認めているよ、という立場の方もいるだろう。だけど、もし本当にそうなら、そのときに問題は解決していたのだ。国家が慰安婦になることを強制するなんて、当時も明白な違法行為だったから、違法性を認めた上で謝罪し、賠償するという話になったはずなのだ。
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2013年5月28日

 日曜日は、神戸の元町映画館で、「ひまわり」を観た。「あまちゃん」ではかわいい能年玲奈ちゃん、映画では大人っぽかったなあ。

 昼食後、映画を観た方のうち、希望者が残ってトークと討論。私が沖縄問題でトークするということだった。リアルな映画を観たあと、私の話を聞きたいという人がそんなにいるはずはないと思って会場に向かったら、20人ほどがいてびっくり。突然、緊張……。
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2013年5月27日

一面左肩で、「保革漂流」という5回連載がありました。その3回目(14日付)で、私と本のことが以下のように紹介されていますので、お知らせしておきます。書評は別途、載せていただけるそうで、期待しています。

 「憲法九条の軍事戦略」(平凡社)。一見矛盾するタイトルの新書が注目を集めている。
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