2013年6月13日

 いまさらとは思うんですが、念のため。あまりにひどいので。

 安倍さんは、いま、明確に対中国を意識して外交をやっています。中国包囲網ですよね。

 その論拠としてあげるのが、価値観の違いということです。価値観の共通する国と仲良くして、価値観の違う中国を包囲するというもくろみ。

 でも、日本の価値観が中国の価値観と違うどうかは別にして、安倍さんはどうなんでしょうか。安倍さんの価値観って、本当に中国と異なるんでしょうか?

 たとえば人権問題。中国は、いろいろな国際会議で自国の人権問題を批判される度に、「アジア的人権」を口にします。人権は人間なら誰もが生まれながらもっているのだという考えを西欧的人権だとして批判し、中国には中国の人権の考え方があるというわけです。普遍的な人権というものはないということですよね。

 じゃあ、安倍さんはどうか。自民党の改憲案は、人権の制限をしようとしていることで話題になっていますが、その根拠を、自民党は「Q&A」であきらかにしています。

 それによると、改憲案の趣旨は、「西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われる規定を改める」ところにあるそうです。「権利は、共同体の歴史、文化、伝統を踏まえたものであることが必要である」とも。

 なんだ、これって、「アジア的人権」じゃないですか。日本は西欧とは価値観が違うということじゃないですか。中国と同じだ。安倍さん、自分と中国が同じだということが皮膚感覚で分かるから、あんなに嫌うのかもしれませんね。

 そもそも、慰安婦問題でも、安倍さんの価値観は、かなり特殊なんですよね。アメリカに批判されてオタオタするわけですから。

 それなのに、自分の価値観が、アメリカとかヨーロッパと同じだという考え方って、どうしたらでてくるんでしょうね。それが不思議でなりません。

 なお、昨日の「いま、憲法のはなし」という朗読劇のことです。観てきた方から教えていただきました。30人ほどの役者さんが、文化人や政治家などに扮して、各人の主張を述べるという劇だそうです。

 そこに、「ジャーナリストの松竹伸幸です」という形で私が登場し、「憲法九条で軍事戦略を考えたらどうなのでしょう」と問いかけ、本に書いている持論を展開するそうです。私のあとに伊勢崎さんが出てきたり、内田樹さんが登場したり、関係者が総出演ということでした。

 大阪公演もあるので、見に行きます。どなたか、行きませんか? 28日(金)の18時30分からと、29日(土)の14時、18時ということですけど。場所は、天満橋から徒歩5分のドーンセンターです。