2014年7月8日

 ある月刊誌から、こういうテーマで原稿依頼があった。集団的自衛権のことだから何気なく引き受けたけど、よく考えると難しいよね。

 だって、集団的自衛権がどんなものかなんて、もう書いても仕方がない。それは言い過ぎかもしれないが、これを具体化する法案の国会通過を阻止するというのが次の展望になるのだろうけれど、自公による国会多数という枠組みはこんごも変わらないわけだから、世論を強めれば大丈夫だと言っても、説得力には欠けるだろう。

 ただ、本日の新聞によると、法案は秋の臨時国会には一部といえども出てこなくて、来年の通常国会でまとめてやるみたいだね。その理由として、世論の反発を見ると、来年の統一地方選挙の結果に影響するかもしれず、その後に先延ばしにしようという考えだということだ。

 でも、先延ばしにすると、地方選挙への影響は最小限に抑えられるかもしれないが、国政選挙は近づいてくるんだよね。おそらく、自公は、地方選挙は選挙区の定数が多いところもあり、世論状況がリアルに反映するので与党が不利だけど、定数1を争う国政選挙の場合、多少、与党が劣勢でも、野党のていたらくからして、定数1を奪われることはないという判断なのだろう。

 まあ、くやしいけれど、そうだろうなあ。集団的自衛権に反対する政党は、地方選挙ではそれなりの議席を増やすけど、国政選挙では自公の枠組みをから議席を奪う政党は簡単にはあらわれないだろう。

 けれども、地方選挙であっても、自公の議席を大幅に減らすことができれば、そのインパクトは計り知れない。結果次第では、集団的自衛権に反対する勢力が協力しあえば、7月1日の閣議決定をくつがえす内閣をつくれるぞと、希望がもてるかもしれない。そういう希望が出てくれば、協力が促進されるという可能性も出てくる。

 だから、いま大事なことは、本格的な闘いは法案が出される通常国会でというのではなく、秋から統一地方選挙までが最大の山場だと位置づけることではないだろうか。自公の思惑は、地方選挙までは集団的自衛権の議論はおやすみにしようということなのだから、そこを打ち破らないといけないのではないか。

 ということで、集団的自衛権に反対する勢力に求められるのは、この秋にこそ闘いを強めることである。その闘いを統一地方選挙に結実させることである。だから、『集団的自衛権の焦点 「限定容認」をめぐる50の論点』は、いまから本格的に売っていきたい。

 それと平行して、集団的自衛権に反対する勢力が政権や政策をめぐって協力しあうことを想定し、九条のもとでの防衛政策をつくっていかねばならない。その点では、やはり「自衛隊を活かす会」の正念場でもある。