2014年7月14日

 滋賀県知事選挙の結果は意味がありますね。どの党派がということにこだわらずに見ればということですが。

 ひとつは、いうまでもなく、集団的自衛権の閣議決定が、この結果に影響しているということです。石破さんなども認めていることですからね。これから秋、福島と沖縄の県知事選があり、来年の統一地方選挙にむかっていくわけで、われわれが追撃の手を緩めなければ、政権をおびやかす結果になるかもしれません。

 もうひとつは、段階的な脱原発ということなら、多数を占められるということです。原発の即時廃止は総選挙でも多数にはならなかったわけですが、ここで工夫をすれば、現実政治を変える力になることが見えてきました。

 結局、安倍さんを退陣させると息巻いてみても、退陣後の政権構想、政策構想をどう描くかということを抜きにしては、現実の力にはなりません。ここで何回も書いてきたとおりです。

 その政権構想、政策構想が、地方選挙といえども定数1の奪い合いで多数の支持を獲得し、自民党に勝利するようになるなら、二年後に予想される国政のダブル選挙で安倍さんが勝つ保障がなくなります。そして、そうなれば、自民党のなかにも、安倍さんの政策路線とは異なる道への模索がはじまるのだと思います。

 ということで、次の焦点は、福島(10月)と沖縄(11月)ですね。このふたつは、かなり特殊なケースで、自民から共産まで含めて、安倍路線と対決する候補者づくりの話しが進んでいます。それに対して安倍さんが焦っていて、その前に拉致被害者といっしょに北朝鮮から帰国する図を描きたいとがんばっておられるわけです。

 でも、拉致被害者が帰国するならそれはとってもうれしいことですが、だからといって安倍さんの後押しにはならないでしょう。拉致問題が解決に向かうことは、北朝鮮との国交正常化への第一歩ですから、集団的自衛権を推進する論拠が薄くなるということでもあるのですから。

 ということで、私は、予定通り、その政策構想のうち、集団的自衛権に変わる防衛戦略づくりに邁進します。「自衛隊を活かす会」の次回シンポジウムは、来週の土曜日です。

 脱原発の方は、段階的な道筋ということで、ほぼ決着しつつあると思います。国政選挙に通じる政策としてどなたかに具体化してほしい。