2014年7月28日

 「自衛隊を活かす会」の第2回シンポジウム、成功裏に終わりました。参加されたみなさん、要員として手伝ってくださったみなさん、どうもありがとうございました。

 「対テロ戦争における日本の役割と自衛隊」がテーマでしたが、とっても刺激的でしたよね。全体は、「会」のホームページで順次公開されるので、それを見ていただければと思いますが、ひとつだけ印象に残ることをと言われたら、酒井啓子さんが最後に紹介されたことでした。

 イラクでやられている経済プロジェクトに、世界のどの国がどの程度の件数で加わっているかという数字を紹介しておられました。それが衝撃的だったんです。

 いちばんは当然、アメリカです。16件でした。まあ、経済権益のための戦争という要素があったわけですし、影響力からしても当然でしょう。

 2番目はどこか。それがフランスとドイツで、14件だというんです。つづいて韓国と中国で13件。日本はなんと3件だけです。

 イラク戦争に反対したフランス、ドイツ、中国が日本の4倍以上! 柳澤さんが衝撃を受けていました。だってですよ、日本がイラクに自衛隊を派遣したのは、ここでアメリカに恩を売っておかないと、戦争終了後のイラクでの経済権益ぶんどり合戦に勝てないという見込みもあったわけでしょ。ところが結果はこうなんです。

 日本は自衛隊を派遣し、隊員が死なないようにいろいろ気を遣っていた。だから、日本から経済使節団などがイラクにやってくることなんかには神経質になっていて、サマーワからいなくなったあとだったんですね。

 ところが、イラク戦争に反対し、軍隊を送らなかった国は、その間に、自国の権益を拡大していった。当時、反対する国は、戦後のイラクでは存在感がなくなり、国益を損なうよと、アメリカあたりが圧力をかけていると言われましたが、結果は、イラクへの派兵に踏み切った日本こそが、国益を損なったわけです。

 しかも、そのイラクでは、政権を追われた勢力がテロ集団と結びついて、首都にまで進撃しようとしている。戦争それ自体が無益だったことも実際に明らかになっているわけです。

 酒井さんは、当事国から自衛隊の派遣要請があって、自衛隊の能力がそれにふさわしいなら検討してもいいが、アメリカとの関係で自衛隊を派遣するかどうか決めるのは、根本的におかしいのだと言っておられました。その通りですよね。

 さて、3回目のシンポジウムですが、テーマは、「集団的自衛権に関する15事例を現場から考える」というものになります。10月5日(日)の午後です。会場確保の都合で、次回は土曜日でなく日曜日ですので、お間違いのないように。