2015年4月3日

 そもそもテレビはあまり見ないし、とりわけ報道ステーションは、福島で被ばくの影響を最小化しようと必死で努力している人への配慮が足りないので、最近、まったく見ていない。古館さんのことだって、別に反権力という感じはしないし、何の共感もない。

 だけど、古賀茂明さんの今回の発言をめぐり、批判が古館さんやテレビ局に集中しているのを見ると、何か言わないとダメだねという気にさせられた。古賀さんの対応、あまり気持ちのいいものではない。

 そもそも、本当に官邸からバッシングがあるなら、それを証拠とともに暴露すればいいだけのことなのだ。「官邸の皆さんにはものすごいバッシングを受けてきた」と言うわけだから、「皆さん」ということで多くの人がかかわった証拠があるのだろうし、「ものすごい」というのだから、みんながびっくりするようなものなのだろう。

 だったら、その内容を言えばいいではないか。それが正しいやり方かどうかは別にして、生放送で何かを暴露することが古賀さんの狙いなら、中身を言えばいいのだ。菅官房長官がどういう圧力をかけたとか、誰はどうしたとか、等々。

 「官邸の皆さん」の「ものすごい」ものなら、古賀さんほどの有名人なら、個人のブログで書いたって、何百万では済まないアクセスになり、新聞やテレビも取り上げざるを得なくなったであろう。それができなかったのは、それを言ってしまえば名誉毀損になる程度の噂話だったとばれてしまうからかと、勘ぐりたくなってしまう。

 いまからでも遅くないから、真実であるなら、すべて表に出すべきである。表に出さないと、信用されなくなってしまうよ。言論弾圧なら、裁判に訴えたって勝てるでしょ。

 いちばん問題だと思うのは、権力者である官邸が何をしたかは言わないまま、批判を古館さんやテレビ局に向けていることである。古館さんはこれまで、古賀さんを出演させてくれ、言いたいことを言わせてもらった恩人のようなものではないか。古賀さんが言うように、たとえ古館さんやテレビ局が権力に屈したのであったとしても、批判する場合は、恩義を裏切らないようなやり方があったはずである。世話になった人を困らせるって、私は見ていて気持ちが良くない。

 このままでは、古賀さん、権力とは正面から闘わないし、人としても信頼できないと思われてしまうのではないか。隠れて話の内容をテープをとるような人となんて(相手が官房長官ならまだしも)、心を打ち明けた話なんかできないでしょ。