2016年8月4日

 ネット上では、8日発売予定の「世界」に掲載予定らしいですが、民主党の前原誠司さんへのインタビューが話題になっていますね。もっぱら、社会民主主義的な社会保障観を打ちだしている、みたいな脈絡においてですが。左との連携も視野に置いているみたいな。

 でも、私は前原さんの書いたものをそう読んでいるわけではないですが、もともと前原さんって、それほど「保守」という感じを受けていません。貧しい家の出だし、支援者には在日の方もいるみたいだし、辻元清美さんとえらく仲がいいみたいだし。

 それと、この「世界」のインタビューですが、ネットを見る前に、昨日(3日)の毎日新聞に少し紹介されているんです。民主党代表選挙をめぐる情勢を解説したなかでですが、次のようなものでした。

 「8日発売の月刊誌『世界』に掲載予定のみずからのインタビューを(前原グループの会合)参加者に配布した。野党共闘について『枠組み論ありきでは議論が逆立ちする。政策論議を深め、共闘のフェーズをさらに進化させる」と主張。憲法改正では議論を進める考え方を示しつつ、『自民党草案のように新たな役割を自衛隊に与えるべきだとは思わない』と記すなど、保守、リベラル双方に配慮する姿勢を示した」

 野党共闘の「枠組み」はすでに公党同士の合意事項だ、「枠組み論ありきなのだ」という立場からすると不満が残るでしょう。だけど、けっこうまともな認識だと思います。

 だって、「枠組み論ありき」では、枠組みを優先するあまり、政策上の違いを埋める努力が十分でなくなる可能性もあるからです。真剣に政策論議を深めて、どんな政策が必要で、どこでは一致できないのかを明らかにすることが大事でしょう。そして、そこまで一致するなら政権をともにしようとか、そこまでしか一致しないなら選挙協力に止めようとか、そんな議論の運び方が求められると思います。

 その点でいうと、おそらく前原さんは、「世界」のインタビューで、社会保障とか経済政策の分野では、左側との連携も可能だという気持ちをあらわしているのでしょう。たぶん。

 で、問題は安全保障。「前原さんは保守だから連携の対象でない」なんて思ってほしくないですね。前原さんの安全保障観というのは、民主党の安全保障観そのものだと思います。前原さんと議論し、一致できないなら、民進党との政権なんて夢のまた夢です。

 そして、国民の命を守るために自衛隊が必要だという認識を持てるなら、どこかで一致するところがあるのではないでしょうか。人の命を守るために必要だと思っていれば、「人助け」という言葉は出てきても、「人殺し」発言は出てこないのですが)

 そうやって、次の総選挙では、京都1区が穀田恵二さん、2区が前原誠司さんという路線が全国に先駆けてつくられたら、すごくインパクトがあると思うんです。全国に与える影響は計り知れない。そう思って動く人が、たくさん出てこないかなあ。