2016年9月5日

 昨日夕方からいままで、怒濤のような1日でした。うちの会社は9月が決算期なんですよね。で、9月にどれだけ売れる本を出せるかが、決算の結果を左右するので必死だったわけ。

 そのために、内田樹×石川康宏+池田香代子さんの『マルクスの心を聴く旅』を間に合わせることは必須でした。それだけではダメかなと思って、突如、自分が執筆する『「日本会議」史観の乗り越え方』を出すことにしたし。

 異常な忙しさ。2つの本とも12日にできあがってくるんですが、本日、京都にいては、それが13日になって、10月刊行の本になっちゃうんですよ。1月違っても、総売上が変わることはないんですが、決算期が穏やかに乗り切れないと、会社の雰囲気が良くなくなるので、がんばっちゃいました。

 問題は、そういう仕事の仕方をしていると、当面のことだけに力が集中しちゃうことですよね。先を見通した仕事ができない。

 南スーダン自衛隊の駆けつけ警護任務付与が11月に迫っていて、「自衛隊を活かす会」編で『南スーダン、南シナ海、北朝鮮──新安保法制発動の焦点』を出そうとしているのですが、まったく手つかず。間に合わない場合でも、こういう仕事のやり方の結果として、会社には受け入れてもらわなくちゃね。

 本日は、東京事務所で、工藤晃さんの本『マルクス「資本論」の見地から21世紀の世界資本主義を論じる』の編集会議でした。明日、この会議の結果をふまえ、工藤さんにお会いしに行きます。

 これ、200ページ以上の大部の本なんですが、180ページ程度は工藤さんの研究ノートだという、ちょっと見かけない本です。工藤さん、先日お電話したら、「何十年も研究してきたけれど、ようやくここまで到達できた。満足できる本が出せる」と言っておられました。ノートを公開することによって、その工藤さんの結論だけでなく、結論を導きだした思考過程とか、そのためにどんな本を読み、どんな角度で研究するのかとか、そんなことまで分かる本です。

 読者はノート部分を見て、買うかどうかを決めると思うんです。だから、そこが一見して読みにくそうだと、読者の手が出ないおそれがありましたが、そこが本当に読みやすく、美しくできあがっているので、受け入れられると思います。

 あと、小林よしのりさんの「ゴー宣道場」に私が招待され、議論したことをふまえた、『憲法九条で日本を守れるか』もそろそろ取りかからなければなりませんね。民進党の代表選挙を見ても、改憲問題は大いに議論になっていきそうです。

 というか、改憲論を楽しく愉快にやっていきたいと考えているので、そのためのいろんな本を考えたいと思います。悲壮感が漂っては少数派のように見えちゃうと思うのでね。