2016年9月12日

 沖縄から帰ってきて、テレビでニュースを見たら、民進党の代表選挙で普天間基地問題が取り上げられていた。蓮舫さんが確固として辺野古移設を主張し、前原さんと玉木さんは再検討を打ち出していた。

 左派の方々の多くは、野党共闘の継続を夢みて蓮舫さんに気持ちが傾いているのだろうけれど、政策協議のない枠組み論の問題点を、まざまざと見せつけられたよね。このままでは、代表選挙後、民進党が独自政策として辺野古移設を持ちだし、他の野党が反対し、共闘が行き詰まっていくのが目に見えるようだ。

 それにしても、蓮舫さんの頑なな態度は、何が原因だろうか。いま二重国籍問題で攻められていて、尖閣は自国のものだと主張する台湾、中国を前に、自分はそういう他国の利益代表でないことを強く示そうとして、抑止力で対抗するのだ、そのためにはアメリカの基地を強化しなければならないのだと強調しなければ、という感じだろうか。

 二重国籍問題は、法的には何の問題もない。だけど、そういう政治的な効果はあるのだと感じる。

 政治的にも、二重国籍だからといって、日本の国益を否定する人だということにならない。日本国籍だけの人だって、中国や台湾の利益代表だよねと思える人もいるわけだからね。それに、国会議員は、その政策を有権者が判断するわけだから、日本の国益を侵害する要素があると思えば、落選させればいいだけのことだ。二重国籍であれ、日本だけの国籍であれ、それは同じである。

 ただ、先ほど述べた「政治的効果」は問題だ。二重国籍であるというだけで、他国の利益も斟酌する人と思われ、それは国会議員にとって政治的にはマイナスなので、かえって右翼的な主張をするようになるという構造だ。

 そういえば、以前、前原さんも在日の方からの政治献金が問題になっていたよね。私なんか、それを聞いて、前原さんって在日の方からも慕われる人だと認識を新たにしたものだが、国益と国益がぶつかる政治の世界では、やはり外国との関係は微妙な問題であり、ちゃんとみずからを律しなければならないと思う。

 まあ、それでも、政治家や政党にとっていちばん大事なのは、主張、政策の内容が、どんな外国の利益をおもんばかっていると思われないことだ。中国に及び腰と思われているままでは、アメリカの利益を最優先する自民党政治の問題点への批判は、ぜんぜん効いてこないわけだしね。