2016年9月8日

 先日までマレーシアで開かれていたアジア政党会議。5日(月)の「赤旗」を見て、びっくりした人も多かっただろう。なんと、日本共産党が中国共産党に対して、「闘争宣言」を出しているのだから。

 詳しくは「赤旗」で読んでほしい。要するに、この会議の最終宣言のなかで、当初、「核兵器禁止条約のすみやかな交渉開始を呼びかける」というものが入っていたが、それが中国共産との横やりで削除されたことについて、新聞の1面から3面分までを使って批判しているというものだ。

 この間、世評では、日本共産党は中国共産党を批判できないと言われてきた。けっしてそう単純なものではなく、私は、「赤旗」のいろいろな記事や論評を取り上げ、「こんなことも言ってるよ」と紹介してきたのだが、そうはいっても「赤旗」に載ったのはホントに目にとまらないような小ささの時事や論評なので、おおかたの人は気づかなかったり、気づいても大事だとは思わなかったりしたのだと思う。

 今回は、その記事の大きさだけからも、「わあ、本格的だなあ」と思えるだろう。順番としては尖閣とか南シナ海が最初であってほしかったが、「闘争宣言」と位置づけられているらしく、今後も続くそうだから、関係者は楽しみにしてほしい。

 それにしても、中国共産党って、常軌を逸している政党だと思う。日本共産党と理論交流して、日本共産党を特別扱いしているみたいに思わせ、批判をにぶらせようとしたわけだよね。それでも日本共産党が部分的なものであってもあれこれ批判するようになると、とたんに態度を変えてくる。これまで何か大事な決定をしたあとなど、日本共産党が中国大使館に説明しにいっていたのだが、最近は来るのさえ拒むというようになっていたらしい。

 今回の最終宣言についていうと、この秋、国連総会で核兵器禁止条約の議論が開始される可能性があるので、それを拒絶するためにも、ここで文書にいれるわけにはいかないという判断だったのだろう。核兵器廃絶に背く政党なのである。そこをしっかりと見ておかねばならない。

 こんな政党はどこにでもある。だがそれが共産党を名乗っていたり、国の名前に社会主義を使ったりしているのだから、迷惑千万なのである。これをきっかけにして、中国共産党に対するあらゆる幻想がなくなることを願う。