2017年9月7日

 アメリカが国連安保理に北朝鮮制裁強化案を示しているという。石油の禁輸が中心問題だとか。

 これに中国とロシアが反対することは必至であり、どうなるか見通せない。ただ、これをアメリカと日本が本気でとおすつもりなら、自分にその結末を受け入れる覚悟があるかどうかが問われることは指摘しておきたい。

 北朝鮮をしめあげようとすれば、石油の禁輸が決定的なことは論を俟たない。いまでさえ電気が乏しいわけだから、核ミサイル開発にほそぼそと残ったエネルギーを集中するにしても、いろいろ矛盾が出てくるとは思う。

 だけど、これもよく指摘されているように、その結果、北朝鮮国民の窮乏はかつてないほどのものになるだろう。「いい気味だ」とか「自己責任」だとして、それを歓迎する人がいるかもしれない。

 しかし、その結果として生まれることが予想される多くの難民をどうするのか。そこに覚悟が求められるということだ。

 難民は間違いなく中国に向かう。中国はいまだって、追い返せば強制収容所に入れられることが分かっていても、それでも追い返している。だが、石油の禁輸で生まれる難民は、おそらく何万にものぼって、追い返せる規模ではない。だから中国はいやがっているわけである。
 
 だったら、アメリカと日本が、本気で石油の禁輸をしようとするなら、何万という難民は自分たちで引き受ける覚悟を示せばいいわけだ。そこまで約束すれば、中国だって制裁強化に反対しないのではないか。

 それをせずに、北朝鮮の核ミサイル開発は中国が甘いからだなどと言うのは、何の道理もない。問われているのはアメリカと日本の側である。