2017年9月20日

 いま東京に向かう新幹線のなかです。本日は編集会議。いつの間にか編集部は、京都と東京がほぼ同数になってしまい、月に一回の会議はテレビ電話なんですが、たまに一堂に会します。その際、子育て世代の数が多い東京の編集部が京都に来るのは大変なので、会議は東京なんです。

 その他、いろんな方とお会いして、解散総選挙をめぐる情勢とか、いろいろ話し合います。月末の沖縄行きの準備もしなくちゃ。

 そして、もう一つの大きな仕事は、4回連続講座「広島の被爆と福島の被曝」の最終回。斎藤紀先生には毎回2時間の講演と1時間の質疑に付き合ってもらいましたが、今回は最後ということもあり、1時間延長します。泊まってもらって懇親会も遅くまでになるかな。参加ご希望の方はメールをください。

斉藤連続講座4回目

 斉藤先生に最初にお会いしたのは、3.11があった年の晩秋です。1年目の3.11の日に浜通りで被災者のためのイベントをやりたいと思い、福島の9条の会がマイクロバスを仕立てて行くというので、それに同乗させてもらうために福島市に行ったんです。浜通りに向かう前夜、9条の会の真木事務局長と飲んだんですけど、その場で主治医ということで紹介されたのが斉藤先生でした。

 最初の印象は、「この人、医者じゃなくて国際政治学者だね」ということでした。出発点は広島の被爆を突き詰めることだったんでしょうけど、その過程で核兵器をめぐる国際政治を奥深くまでつかんでおられたんですね。生半可なものではありませんでした。

 同時に、広島で被爆者の研究と治療を30年間やってきた経験をふまえ、福島の被災者に毎日向き合っておられて、そのお話が印象的でした。だから、福島を訪ねる度に先生にお会いして、本の執筆をずっとお願いしていたんです。だけど、福島の被曝をめぐる言論状況はなかなかに複雑で、被災者一人ひとりに向き合う臨床医として、本を書くとしたら一般論で済ますこともできず、ずっと断られ続けてきました。

 だけど昨年秋、このテーマはどうだろうと持ちかけ、それだったらとまず連続講座をすることになったんです。それが、「広島の被爆と福島の被曝──この両者は本質的に同じものか似て非なるものか」でした。

 これまで3回、ずっと広島の被爆のお話をされ、質疑でそれに関連する福島の被曝に言及されました。そして今回、このテーマの結論部分が明らかになります。本になるときに読めばいいやという考えもあるでしょうけど、是非、リアルな体験もお楽しみください。