2017年9月19日

 「解散総選挙」はいつも突然やってくるわけですが、明らかになってから投票日まで一か月しかないというのは、なかなか体験できるものではないですね。凝縮した体験ができそうです。

 焦点は、安倍政権への対抗軸が形成される可能性をどう広げるかでしょう。この点では、維新は橋下さんが抜けて失速しているし、日本ファーストはどこから見ても対抗軸という感じではないし、野党4党の動きがカギを握るのは間違いなし。というか、結局、民進党と共産党の2党の動向ですけど。

 前原さんが代表になっても、山尾さんの問題とかがあって、民進党はなかなか浮上してきません。安倍さんは、消費税値上げ分を教育に回すといって、民進党の存在意義をつぶしにかかっているし、民進党は消え去るという観測もあるようですが、そうはならないと思います。だって、民進党から日本ファーストに移る動きだって、国民が対抗軸を求めているという現実があるから、その反映なんですよね。だから対抗軸らしく振る舞えるかというところが決定的に大事です。

 前原さん、基本政策が違うところと政権選択の選挙で一緒にやれないと言っているでしょう。それ自体は正しいんですけど、でも、その基本政策として前原さんがあげたのは、自衛隊、日米安保、天皇制、消費税だったと思いますが、そこを突き詰めていくと、自民党と基本政策はほとんど同じなわけで、対抗軸になれないんです。

 だから、少しの違いを大きく見せることが大事で、新安保法制反対というのは、まさにそこに意味があったのだと思います。安全保障政策では、民進党と自民党は、基本は同じなんです。新安保法制を廃止しても、それ以前の自民党の政策に戻るだけだったんです。だけど、新安保法制での意見の違いを大きいように見せられたから、対抗軸になり得た。

 今度の総選挙でも、それに成功できるのかということが問われます。新安保法制は継続ですが、労働改革問題などを、どう大きく見せるのかです。

 それと、前原さんに求められるのは、候補者は自由、社民との3党で推薦するかたちにするにしても、共産党のメンツを立てることでしょう。現在進行形の堺市長選挙では、共産党は一方的に支援しているわけです。メンツを立ててもらっているから、まさに全力で一方的に支援しているのです。そういうかたちはありうるんです。

 その程度のこと、前原さんなら、簡単に考えつくと思うんですけどね。共闘しないと勝てないのは、双方がよく分かっているわけですから。