2018年11月9日

 『泥憲和全集』、「間違いなく「偲ぶ会」に間に合います」と断言できるようになりました。東京に来ていますが、先ほど私の手から離れ、印刷工程に入りました。

 もし、普通の本をつくるようにやっていたら、私はほぼ半年、この本だけに没頭し、弊社の仕事は中断していたと思います。それほど作業量の多い仕事でした。多くの人のご協力がなかったら、間違いなくそうなっていました。

 まず、何百万字もあるネット上の文章を、ただただコピペしてくれた方々がいます。大西さんとかお玉おばさんとかケニーさんとか。遠くオランダから参加してくれた方もいます(以前、「マルクスの心を聴く旅」をやったとき、内田樹さんと石川康宏さんの対談をフランクフルトまで聞きに来てくれた方です)。

 表紙デザインは吉本さん。泥さんの本のデザインは自分以外には絶対できないという、誇りと自信に満ちあふれたデザイナーです。泥さんとの付き合いの深さ、長さが半端ではありませんので。

 まあ、そもそもこんな仕事をやろうと思いついて、他の人を巻き込んで、自分でも率先して作業をした岡林さん抜きには成り立ちませんでしたけどね。「泥さん愛」のなせるワザでしょう。

 何百万字も全部読んで整理したのは、その岡林さんとともに、編集・組版をやってくれた御立さん。泥さんの本を出したいということで新しい1人で出版社を立ち上げたのに、その泥さんがなくなった悔しさ、悲しさをこの本にぶつけれくれました。

 最後に1024ページにもなった本の校正をしてくださったのが池田香代子さん。ちょうど最後の1週間、まったく偶然ですが、通常のお仕事が入っていなくて、驚異のペースでやっていただきました。「死せる泥さん、生ける池田を走らせる」というのが池田さんのお言葉でした。

 そして、事前予約をしてくださった180名ほどの方々。ありがとうございました。みなさんがいたから、頑張れば赤字にならないで出版できると思うと、会社を説得できました。

 そういういろんな人の思いがつまった本です。泥憲和さんは不滅です。

 1000ページを超えますと印刷所に伝えたら、「そんな本をつくれる製本所は限られていて、値段も高くなります」と言われ、あわてて分冊にしようとしたら、「いまさら工程を変えると24日の「偲ぶ会」に間に合いません」ですって。これは1000ページ越えを「売り」にして値段が高くなった分を回収しないとね。

 ということで、京都にある弊社の倉庫に19日に届きますので、19日から21日にかけて順次発送します。首を長くして待っていてください。