2015年6月19日

 先日、「安倍談話と村山談話をめぐる40章」を書き始めると予告したけれど、そのうち10章分を一応書き終えた。「侵略とはそもそも何か」という部分。

 ここは現在のような意味をもって「侵略」という言葉が使われるようになった一九一九年から、侵略の定義が最終的に固まった二〇一〇年まで、合計で九一年間の経緯を振り返ったものである。国連総会でのやりとりなど細かいものも含むけれど、深く理解するためには不可欠だと考えた。だから合計で1万4千字もある。その章のタイトルだけ、紹介しておく。

第1章 
「侵略」という用語は、いつ誕生したのでしょうか。それ以前は「侵略」は存在しなかったのですか。
第2章
「侵略」という用語がベルサイユ条約にあらわれたのには、どのような背景、事情があったのでしょうか。
第3章
「侵略」の定義が固まるのは、いつ、どんな文書によってなのですか。どんな経過をたどるのですか。
第4章
国連憲章では「侵略」はどのように定義されているのですか。それはどのような考え方にもとづくものですか。
第5章
戦後ずっと侵略の罪を裁く機運がしぼんでいたのに、国連総会で「侵略の定義」決議ができたのはなぜですか。
第6章
「侵略の定義」決議の概要を教えてください。この決議のどこが重要ですか。問題点はあるのですか。
第7章
「侵略の定義」決議は簡単に合意できたのですか。作成過程では、どんなことが議論になったのですか。
第8章
「武力攻撃」と「武力の行使」という言葉が出てきますが、このふたつは同じものですか、違うものですか。
第9章
国連総会決議では拘束力がないという問題は、国際刑事裁判所規程によって克服されたと考えていいですか。
第10章
侵略を認定する安保理の権限と、侵略を裁く国際刑事裁判所の関係は、結局どうなったのでしょうか。

 安倍さんの談話がどんなものになるかを8月15日に確認し、それも含む資料を入れた上で、17日に印刷所入稿という感じかな。それだと、まだ話題が継続していると思われる8月中に、本ができあがってくる。