2015年6月23日

 20日の「自衛隊を活かす会」関西企画は盛況でした。元陸将の渡邊隆さんが、「世が世なら、このような場所に出てこなかったでしょう」とおっしゃってましたが、市民運動と幹部自衛官が同席する場を提供できたというところに、「自衛隊を活かす会」でなければできない役割があると思いました。

 この日のために、大阪から十数人、その他東京から岡山まで十数人、スタッフもかけつけてくれました。みんなボランティアでして、そういう方々の努力で「会」が成り立っています。本当にありがとうございました。

 企画の終わりかけに「質問用紙」がひとつ寄せられました。そこでは、「今度の参議院選挙に「会」から候補者を出さないのか?」というのがありました。それを見た瞬間はびっくりしましたけれど、なるほどなあとも思いました。

 多くの方が、参議院選挙の一人区で護憲の統一候補者が立てられないかと、いろいろ悩んでおられます。私から見ると、護憲政党がいくら集まって協議してもまとまらないだろうし、そもそも協議の場につくこともできないと思うので、あまり本気にしてきませんでした。

 だけど、自公の候補者に対して、自衛官(もちろん元職でしょうが)が大挙して立候補し、対決する構図ができれば、かなり雰囲気が変わるかもしれません。自衛官を戦争で海外に送るやり方に賛成か反対かが選挙の争点であることが、誰の目にも分かる。そういう改憲を許すのか許さないのかが、選挙の争点になってくる。

 もちろん、それは現時点では困難です。だけど、そうなるかならないかは、いまの安保法制をめぐる闘争の行方にかかっているのだと思います。運動のなかで、保守も革新も、そして自衛官もふくめて闘いが広がっていき、この法案を通さない(通ってしまっても廃止する)ための協力関係ができあがれば、自然とそういう方向に進んでくる可能性があります。

 先日、デモクラTVの本会議に出たのですが、共産党の井上哲士さんがゲストで出演され、一点共闘について語っていました。沖縄の総選挙で元自民党と共産党の共闘ができたのも、知事選でそういう運動が盛り上がり、その延長線上に総選挙があったからだとおっしゃってました。

 「会」代表の柳澤協二さんは、弊社から出した法案批判の本『新安保法制は日本をどこに導くか』で、「会」が出した「提言」について、「(安倍政権)に対抗する側の政策提言の基礎になる」とのべています。そうなんです。安倍さんに対抗して候補者をまとめようとしたとき、すでに政策は準備されているのです。

 会期が95日間も延長され、自公は必死です。だけど大事なことは、この闘いのなかでどんな協力関係が築けるのかです。来年の参議院選挙の一人区で勝利できるような基盤がつくれれば、たとえ法案が可決されることがあっても、それを廃止する展望ができてきます。逆に、そういう共闘ができそうになり、このままでは選挙に勝てないかもしれないと与党に思わせることができたら、今国会で容易に強行採決することも難しくなるのではないでしょうか。