2013年10月23日

 「赤旗」の10月6日付を見て、とってもびっくりしたんだけど、ずっと忙しかったので、本日ようやく論評。すごい変化なんです。

 その前日、志位さんがBS朝日「激論!クロスファイア」に出演し、田原総一朗氏などの質問に答えています。テーマの一つは集団的自衛権。安倍首相は、日本近海でアメリカの艦船が攻撃されたとき、近くに自衛隊の艦船がいても助けられない、だから集団的自衛権を行使して助けられるようにしようという議論をもちだしていますが、それをめぐってやりとりがありました。

 最初、志位さんは、安倍さんは日本近海だと言うけど、実際に求められてきたのはペルシャ湾のことだとのべます。それに対して、田原さんが「近海ならいい?」と突っ込んできて、志位さんがこう答えるのです。

 「近海でもしそういう問題になったら、集団的自衛権でなく個別的自衛権の問題になります」

 これって、私がこのブログでときどき紹介する柳澤協二さん(元内閣官房副長官補)などが言っているのと同じことですよね。そしてだから集団的自衛権は必要ないのだという主張になるわけです。私自身も、その結論には賛成です。

 だけど、志位さんがこう言うのは、初めてのことです。アメリカの艦船が攻撃されているのだけれど、それは個別的自衛権の問題だということは、日本が攻撃されているのと同じだと言っているわけで、誰がみても新しい見解でしょう。

 本当は田原さん、質問を続けるべきだったと思います。「個別的自衛権の問題だということは、自衛隊が反撃する問題だというわけですね?」と。

 その突っ込みが不足しているために、少し消化不良に終わっているわけですが、個別的自衛権の問題なら、自衛権の発動は当然だということになるのが当然でしょう。そして、自衛権の発動とは、まさに自衛隊の出動だということでもあります。

 これまで志位さんは、共産党が自衛隊の活用があり得るとしているのは、民主連合政府が樹立され、安保条約を廃棄した後のことだと主張してきました。今回のインタビューで問題になっているのは、しかしまさに安保条約があって、日米が共同で軍事演習をしたりしている局面での話ですから、とっても新しい見解なのです。

 まあ、もしかしたら、個別的自衛権の問題だけど、自衛権は発動しないのだとか、自衛権は発動するけれど、自衛隊の出動は認めないとか、そういうことかもしれません。その可能性の方が高いかな。

 田原さんの追及次第では、もっと明らかになっていたのにね。そうだったら、日本にとって大事な問題が、もっと深く議論されることになったでしょう。今後に期待しましょう。