2014年10月9日

 明日(10日)の早朝、韓国に旅立ちます。ということで、これまで平日にはずっと記事を書いてきましたが、明日は異例の休載ということになります。悪しからず。

 韓国行きのいちばんの目的は、来年、慰安婦問題で本を書くからです。その本のなかでは、安倍政権のことを批判するのは当然ですが、韓国側の対応についても批判を加えるつもりです。だけど、私はこれまで、北朝鮮には行ったことがあるんですが、韓国はまだなんですよ。批判する相手の国や、批判する市民運動団体に行きもせず、遠く離れた日本から批判することはやりたくなかったんです。

 慰安婦問題では、いろいろ考えることがあります。とりあえずの私の問題意識は、法に違反するような強制はしなかったという日本政府の主張も、意に反する強制があったという慰安婦や韓国政府の主張も、両方がおおむね間違っていないのではないかということです。

 これって矛盾していますよね。強制していないというのに強制されたということですから。だけど、両者がそう言っているわけです。二律背反。

 これまでは、その矛盾を解決するために、お互いが、相手の側の認識が間違っていることを論証しようとしてきました。日本の側は、韓国側の主張の根拠となっている慰安婦の証言が間違っていると主張してきました(ねつ造だとか)。韓国の側は(それを支援する日本の市民運動もですが)、強制せよという方針文書は焼却されたのだとか、文書で残すようなへまはしないだろうとか、そういう主張をしてきました。あるいは、個別の証拠を持ちだし、全体がそうだったのだと強調してきました。

 だけど、私は、相手の主張を完全否定するようなことをする必要がないと考えます。日本政府が強制するつもりはなくても、慰安婦の方が強制されたと感じることはあると思います。そこに、この問題をとらえるカギがあるし、解決方法もひそんでいるのではないかと推測しているのです。

 韓国では、そこらあたりを、つらつらと考えてきます。現場の雰囲気って大事ですよね。

 ソウル以外では板門店にも行く予定です。南北関係が緊張して、板門店行きのバスが動かなくなることは懸念事項ですけどね。

 いやあ、この旅行(出張?)が終わると、平壌、板門店、ソウルの3つにの都市に行ったことになります。そんな人、日本人では(韓国人でも)、数えるほどしかいないでしょうね。だからといって、発言に説得力がでるわけではないでしょうけど、何か書いたり、しゃべったりするのに、迫力はでますよね。どうでしょ。

 では、休暇の明ける来週の火曜日に、このブログで再会しましょう。すごい台風が帰国予定の13日に関空あたりを通過しそうで、一日遅れるかもしれませんが。