2014年10月16日

 今回の韓国ツアーの大事な目標は板門店を訪ねることだった。訪ねたからといって何かすごいものが得られるわけではないだろうが、安全保障に少しは関わっているものとしては、どうしても外せないものだったわけだ。

 土曜日のツアーだったのだが、大型バス2台で行く。減り続けているとはいえ、日本人客も3割ほどいて、日本語ガイドもついている。昼までで往復するツアーもあったが、板門店だけでなく周辺の非武装地帯とか、そこから眺める北朝鮮にも興味があったので、丸一日のコースにした。

 感じたのは、韓国の余裕というものだろうか。そもそも、板門店ツアーで儲けるということ自体、この地域をアンダーコントロールに置いているという自信がないとできないことだと思う。

 時として北朝鮮との間で緊迫した事態が生じることもあって、訪ねる数日前もそうだった。そういう時は中止になるのかとガイドの方に聞いたら、ずっと仕事をしているけれど、天候などで中止になることはあっても、軍事情勢の緊迫で中止になった記憶はあまりないとのことだった。

 中止といえば、近くは4年前の延坪島砲撃事件の時だったらしい。あの時は民間人に犠牲者が出るほどのことだったからね。そういうことでもない限りツアーも実施するわけである。

 そういえば、4年前の事件って、沖縄県知事選挙の真っ最中だったんだよね。絵に描いたように銃撃事件が起きて、韓国の民間人が殺されて、南北関係が緊張する。それに応じて米軍のプレゼンスの重要性が強調されるという流れができて、そのなかで県知事選挙に突入したわけである。

 当時やっていたブログで、そういう事態のなかで県知事選挙を闘うことになるのを嘆いてはダメだと書いた。そういう事態でこそ左翼が頼りになると国民から思われるようにならないとダメだろうなという気持ちだった。

 今回もそういう事態の再現を望むわけではない。だけど、普天間基地撤去という翁長さんの政策に対して、現職陣営は「抑止力の大切さ」で押してくる。そのためには少しの緊張も大きく描くことになるだろうし、やはり情勢が緊迫したときこそ左翼の出番だと思う気持ちの強さがないと、こういう選挙で確実に勝利することはないと思う。

境界線

 ところで、板門店での写真をアップ。右下に段になったところがあるでしょ。これが南北の軍事境界線である。その右が韓国、左が北朝鮮。ということは、私のいる場所、北朝鮮側なんですよ。