2014年12月26日

 佐賀の県知事選挙も保守分裂ですね。自民党の公認候補に対して、佐賀市長をはじめ自民議員の一部が官僚出身の別の候補を推すという展開です。

 複雑な事情はあるんでしょう。ですが、安倍さんがすすめる政治に対して、保守の人々の反発が強まっていることが背景にあることは間違いありません。

 対立候補の推薦をしているのは、県内最大規模の政治団体・県農政協議会。おそらく、TPPとか農協改革への反発があるんでしょうね。

 佐賀空港へのオスプレイ配備問題でも、ほんの少し違いがあります。公認候補は「沖縄の基地負担などは広く日本全体で負担すべきだ」と条件付き賛成なのに対して、対立候補は県民への安全などについて「確認すべきだ」と慎重姿勢だということです。

 一方、これまでずっと対立候補を立ててきた共産党は、今回、誰も立てません。分裂した保守候補以外に、建設官僚出身の大学教授がいて、オスプレイ配備に反対したりしているので、自主的に応援するということのようです。

 ということで、沖縄と違うところもあるのですが、安倍路線が明確になるなかで、ついていけない保守が出ているのは共通しています。そういう保守が、あきらめるのではなく、政治の表舞台に出ようとしているということでしょうか。

 そこまでは、沖縄にだけあらわれていることではなく、全国で可能性があるのだと思います。佐賀で出ているということは、都市部でどうかはまだ表面化していないので分からない要素があるにしても、少なくとも農業県ならどこでもあるということです。

 だから問題は、そこに革新の側が、どう働きかけるかが決定的でしょうね。TPP反対などで一点共闘を進めているはずですが、その共闘を通じて信頼が勝ち取れているのか、いざというときは政治を変える共闘になるだけ成熟しているのか、いやそこまでいかなくても、そうやって成熟させるという気持ちで日夜努力しているのか、そこらあたりが今後問われることになるでしょう。

 そういう努力を沖縄はどのようにしてきたのか。それを聞いてくるのが、来年の沖縄行きの目的です。2月2日から4日までです。関係者のみなさん、よろしく。

2014年12月25日

 先日、泥さんの本『安倍首相から「日本」を取り戻せ』の出版記念講演会(東京)でした。神戸、京都、大阪とやってきて、東京で4回目。

 東京でやったからだけど、この本をつくろうと呼びかけた6人のうち3人までが参加し、あいさつをしてくださいましたた。池田香代子さん、伊藤真さん、柳澤協二さんという豪華な顔ぶれ。

 「あいさつは10分で」とお願いしたら、みなさん「いえいえ5分でいいです」というお答えだったのに、全然終わらない。なんと3人で50分ですよ。まあ、参加者はいいお話が聞けて、良かったでしょうね。

 というか、みなさん、しゃべりたいんですよね。総選挙が終わって、安倍政権にどう対決していくかって、誰もが問題意識を鋭くしているので。

 そこで池田香代子さんが言っておられた話が印象的でした。他の方も、共産党の前進を高く評価していて、池田さんも同じで、その共産党に何をしてほしいのかということに関係したお話でした。

 池田さんの聞くところによると、議案提案権をもった共産党が最初に出す法案は、「政党助成法廃止法案」だということらしいです。そこにふれたとき、会場の一部から拍手が起きかけたのですが、池田さんはそれを制止しておっしゃっいました。

 「政党助成法に反対しているのは共産党だけだから、この法案を出すことは、他党をみんな敵にまわすことですよね。そうじゃなくて、他党にも反対や懸念が広がっている秘密保護法廃止ということだと、野党の協力が深まって、安倍さんに対抗する力が大きくなるのではないでしょうか。」

 そうですよね。うちの会社も政党助成問題は重視していて、来年の年頭に本を出します。『告発!政治とカネ 政党助成金20年 腐敗の深層』というんです。政党助成金って、政党が国民の方を向かないでもお金が入ってくる構造をつくりだしているものですから、廃止のための闘いを強めなければなりません。

 そして、共産党にとっては、他の政党がみんな間違っていて、自党だけが優れていることを誇示できる政党助成金問題って、すごく大事な課題だと思います。統一地方選挙が間近ですから、なおのこと重視したいことでしょう。

 だけど、池田さんが言われることも、よく理解できます。せっかく一致できる課題があるのに、その課題の法案ではなく対立する課題の法案を先に出すということになれば、躍進した共産党はこういう出方をしてくるんだと、野党の警戒もさらに強まることでしょう。

 で、本日の「赤旗」を見たら、山下さんが政党助成法廃止の国民運動を呼びかけているけど、廃止法案にはふれていませんでしたね。このお二人、11月の赤旗まつりで対談しておられるので、ツーカーになっているのかな?

2014年12月24日

 まだ全文は読んでいませんが、どうなんでしょうか。朝日が再生するきっかけになるんでしょうか。

 この問題での私の見方の全体は、来年出す本で書くつもりですから、ここでは少しだけです。だけど、自分の仕事のことを考えても、いろいろ教訓になることはありますよね。

 朝日は結局、「強制連行」にこだわったわけです。慰安婦問題というのは、日本の国家権力の命令により、朝鮮半島のいやがる少女を無理矢理に慰安所に連れて行って、悲惨な暮らしを強いたものだと。

 吉田証言というのは、そういう朝日の考えにピッタリとはまるものだったわけです。その考えにはまるかはまらないかが、記事を書く基準になるわけですよね。

 最初に名のり出た慰安婦が、親に売られて慰安婦になったと証言しているのに、その部分は報道せず、あたかも強制連行されたかのように描いたのも、そう書かないと、自分の考えと矛盾がでてくるからでしょう。吉田証言の取り消しに時間がかかったのも、それ以外に、同様の証言が日本側から出てこないからだった。そんな感じだったのだと思います。

 そうはいっても、慰安婦たちの証言のなかには、強制連行されたというものがあります。軍人が連行したという証言もあれば、朝鮮人に連行されたという証言もある。強制連行にあてはまらない証言もある。さらに、強制的に連れてこいという政府や軍の文書はひとつも出てこない。

 そういう、矛盾した状況があるなかで、ふつうは、「なぜなんだろう」と思うわけですよね。「強制連行」はひとつの側面としてあるけれども、それだけでは一面的かもしれないって。

 ところが朝日は、そう思わなかったわけでしょうね。目の前にある事実を事実として受けとめず、「強制連行」という都合のいい部分だけを記事にしていくというか、そういう取材だけをしていくというか。

 報道するのに「立場」ってあっていいと思うんです。被害者である慰安婦に寄り添う姿勢も必要です。

 だけど、事実は事実として受けとめなければいけない。矛盾した事実をすべて受けとめ、なぜそうなるんだろうと考え抜いた先に、きっと慰安婦問題の本質があるのだと思います。そこができなかったことが、朝日の最大の問題点だと思います。

 第三者委員会の検証は、そういう肝心なところが抜け落ちていると思います。じゃあ、慰安婦問題とは何なのかが伝わってこない。まあ、それは第三者委員会の仕事ではないのだと思いますけどね。

2014年12月22日

 はい、高田馬場駅から徒歩1分の伊藤塾です。『安倍首相から「日本」を取り戻せ!!』の出版記念講演会です。

 昨夕、人に会う用事があって、麻布十番にいたのですが、ちょうどそこで夕方まで、民団中央本部などの主催で、ヘイトスピーチの根絶めざすシンポジウムが開かれていたんですね。それで、せっかく同じ場所にいるなら、シンポジウムのあとの懇親会に顔を出さないかと言われ、行ってきました。はじめて民団の幹部の方々と語り合ってきました。私が出す慰安婦の本なども紹介しましたが、今後、いろいろおつきあいをお願いすることになりそうです。

 そこでも、明日は泥さんの出版記念講演会だと言うと、ほとんどの方は、泥さんのことを知っておられました。さすがですね。

 その泥さん、昨日は宇都宮健児さんと対談し、明日23日は、「自衛隊を活かす会」のシンポジウムにも参加します。日比谷公園のなかにある日比谷図書文化館大ホールで、午後1時45分からです。

 泥さん、むちゃくちゃなスケジュールですが、まだ車いすから解放され、松葉杖を使いはじめたばかりなんですが、大丈夫でしょうか。本日の講演会に行けないというかたは、明日のシンポに来ていただければ、泥さんとも交流できますよ。

 私も、これから国立市に行ったり、明日から明後日の取り組みに忙しいので、本日はこれで失礼します。

2014年12月19日

 ということです。いろんな仕事があります。

 まず、来年の3.11に向けて出す本のこと。1月に、以前お知らせした『国と東電の罪を問う 私にとっての福島原発訴訟』(井上淳一、蓮池透、堀潤、松竹伸幸、「「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団・弁護団」/著)がありますが、それ以外にも、2月に出す本がふたつ。

 ひとつは、『文化面から捉えた東日本大震災の教訓』(木下達文/著)です。震災直後から開始された文化面での被災情報や再建のためのネットワークづくりの実態や課題、地域ごとの文化施設の被災状況や再建のための課題、高台移転とその障害となる埋蔵文化財など分野ごとの課題、大地震にも強い竪穴式住居など古来からの知恵を活かした「住まう文化」の提唱など、包括的に分析を加えたものです。値段も高くなると思いますが、関係者必読文献です。

 もうひとつは、『福島のおコメは安全ですが、食べてくれなくても結構です』。びっくりしましたか。福島の農民の闘いを描いた本です。このタイトル、意表をつくためにわざとつけたのではなく、まさにその農民の考え方と実践をストレートに表現したものなんです。詳しくは、今後書いていきますが、福島のおコメは安全かどうかの議論、放射能問題での世論の分裂に、大きな一石を投じることになると思います。

 その著者に会ったり、話を聞いたり、いろいろしています。

 それ以外に、『安倍首相から「日本」を取り戻せ』の著者・泥憲和さんの出版記念講演会。これまで神戸、京都、大阪と開かれてきましたが、東京でも開かれます。

 東京での講演会、すごいメンツです。池田香代子さん、伊藤真さん、柳澤協二さんが来られて、あいさつをされます。最初に出した本で、こんなに注目されるなんて、すごいですよね。

 22日(月)の午後6時半、高田馬場駅早稲田口より1分の伊藤塾が会場です。東京周辺の方は、是非、お越しください。もちろん、泥さん、車いすから松葉杖まで回復し、参加されます。

 その他、いろいろ。慰安婦問題での本について某大手出版社との打合せとか、個人的な用事もあります。東京は寒いです。全国もかな。