2016年3月10日

 自民党は本格的にやってきますね。本日の朝日新聞に、「野党統一候補=民共合作候補 自民、ビラで野党共闘批判」という見出しで、以下の記事が出ていました。

 「自民党は今夏の参院選に向け、野党5党が進める統一候補擁立を批判するビラを作成した。赤字の大きな見出しで「『野党統一候補』=『民共合作候補』」と主張し、理念も政策も違う民主、共産両党がタッグを組むと強調。参院選を「『自公の安定政権』か、『民共合作の革命勢力』かの選択」と位置づけている。
 ビラでは「『理念なき民主党』と『革命勢力・共産党』の打算と思惑の産物」と痛烈に批判したうえで、日米安保条約の破棄と自衛隊廃止という共産の主張を取り上げ、「どうやって日本を守るのか」と疑問を投げかける。
 党所属国会議員に配るほか、12日の全国幹事長会議などを通じて地方議員らへの周知徹底を図る予定だ。」

 これにどう対応するか、大事な問題です。民主党にとっても、共産党にとっても大事です。

 民主党は、いまの到達点だと、共産党とは理念も政策も違うということ、だから選挙協力はしても、政権はともにしないんだということを強調するんでしょうね。でも、「共産党とは理念も政策も違う」というのは、自民党の宣伝と同じことを言っているわけです。それを言えば言うほど自民党は打撃になると思って言っているのに、同じことを民主党が言うというのは、自民党の狙い通りの結果になるんでしょう。

 体験的に言うと、こういう場合、協力することの意義を前向きに言わないと、有権者はついてきません。政権問題はいまの到達では何も言えないかもしれませんが、参議院選挙で戦争法廃止戦力が過半数を占めたら、それだけで発動承認ができなくなるとか(発動には両院の承認が必要なので)、一致する点(戦争法廃止)がどんなに大事だとか。ダブル選挙になったら、政権問題がからんでくるので、それではダメでしょうけど。

 共産党は、自民党のビラのうち、日米安保廃棄と自衛隊の廃止で「どうやって日本を守るのか」ということへの対応が大事でしょう。これまでだったら、「安保廃棄でこそ日本は平和になる」とか、「自衛隊を使うのではなく外交で」と言ってきたわけですが、国民連合政府では自衛隊も安保も活用するとなったわけですから、かつてと同じことはいえません。

 その際、自衛隊と安保の活用は仕方なく選択したんだみたいなことになると、それこそ「野合」ということになります。その選択が大事だと言わないとダメなわけです。それをどう言うのかが注目点です。

 そもそも、自衛隊と安保を活用するという方針も、長い講演のあと、記者の質問に答えて出てきた考え方で、しかもその後、そのことは「赤旗」で一行も論じられていません。だから、そういう転換があったと知らない人もいるでしょう。是非、説得力ある記事を連発してほしいと思います。