2016年3月16日

 福島にしばらく行っていた上に、来月納品する本を3冊も抱えているので、ブログにまで手が回りません。今月は23日から、内田樹先生、石川康宏先生と「マルクスの旅」で日本を離れるし、いま仕事しないと、大変なことになっちゃいます。

 日本に帰ってきても忙しいのは同じ。その旅行を『若者よ、マルクスを読もう』のパートⅢにしなければなりません。5月と6月にも2冊ずつ予定されているし、選挙の結果が出る8月には、小林よしのりさんとの対談本を出そうと思っているし、いったいどうなるんでしょうか(7月に本を出したいという著名な研究者が本日、2人も新たに出現したし。普通なら断るけれど、一つはアメリカの大統領候補のサンダース論、もう一つはマルクス『資本論』の新たな解明の本だと聞けば、意欲が湧いちゃうし)。

 ということで、他の問題を考える余裕がないので、本日は、まさにいま仕事している本の紹介です。『教えて中馬さん! 幸せのための憲法レッスン』。

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 表紙そのままをチラシにしているんですが(まだ案の段階です)、それだけで雰囲気というか、中身が伝わっちゃうでしょ。若い女性に買ってもらうための憲法の本です。

 チラシを見ていただければ分かりますが、著者の金井奈津子さんは、「おいしー、たのしー、うれしー」の「3C」女性だったんです。いまでもそれは大事なことだと思っていらっしゃるでしょうが。

 でも、「信濃毎日新聞」主筆だった中馬清福さんのコラムを偶然見る機会があって、グサッときたわけです。中馬さんといえば、朝日新聞論説主幹として有名だった方ですが、その後、請われて「信毎」にいったんですよね。私にとっては、安全保障の構想を確固として持っている(専守防衛の)平和主義者として尊敬の対象です。

 そういう著者が、中馬さんに憲法のレッスンを受けながら(幸せですよね)、5年半で108回もの連載記事をタウン紙に書くまでに至ったわけです。それだけですごいことだと分かります。

 今回の本は、その連載そのものではありません。連載の核心部分(中馬さんのレッスンの内容)を丁寧に盛り込みながら、著者が納得し、変わっていく過程を書いたものです。

 ある方から、これを本にしないかと電話があって、とにかく著者にお会いしたのが2月。そしたら、5月の憲法記念日までに出したいというんですよ。普通、そういう無茶なお願いは聞き入れませんよね。

 だけど、読みもしないで断るのもつれないので、とにかく半分くらいできていた原稿を預かりました。そして、目を通しました。

 その時点で出版することを決めました。なぜかというと「深い」本だったからです。

 常識的にいうと、そういう経過でできた本って、素人にも分かりやすい本というのが「売り」になるでしょう。この本にもそういう要素があって、素人に売りたいわけです。

 しかし、読んでみて感じたのは、すごく「論理的」な本だということでした。私にとっては、いくら文章がくだけていても、漢字が少なくても、論理的でない本は読みづらいです。読み進むことができません。

 この本は、著者が納得していく過程と、著者を納得させたレッスンの内容が一体となっていて、分かりやすさと深さの両方がブレンドされています。憲法記念日には、上品なサーモンピンク系ベージュ色で書店に並んでいますので、是非、手に取ってみてください。