2016年4月14日

 6月8日午後6時より、憲法9条をどうするのかを議論する催しが開かれることを、先日このブログで書きました(場所は日本記者クラブ10階ホール)。今のところ決まっているメンツは以下の通り。

 長谷川三千子(明確な改憲論)、井上達夫(9条削除論)、伊勢崎賢治(新9条論)、そして私(自衛隊を護憲の立場で活かす)。

 私だけが護憲ということになると(なお、伊勢崎さんも「自分は異端児だけど護憲だ」と叫んでおられます)、護憲派の全体を代表しないことになります。「自衛隊は違憲だから廃止せよ」と主張する護憲派がたくさんいるのだから、そういう人に出てもらわないと困るんです。

 だけど、難航しているみたいですね。私もある方を推薦しているんですが、どうなることやら。

 「今の局面で自衛隊廃止を主張しづらい」と思っているんでしょうか。確かに従来型の護憲派にとって、理論的に深めるべきことがたくさんあります。

 単に市民運動レベルで主張するなら、とくに問題ないんです。「自分は自衛隊廃止だけど、そうでない護憲派とも手をつないで9条を守る」ということで、立場が違っても協力しようということになりますから。だけど、市民運動がいまのように政権の誕生に関わろうとすると、とたんにいろいろ問われてきます。

 「自衛隊は即時に廃止すべきだ、廃止したほうが平和になるんだ」と主張するなら、その根拠が問われてきます。戦後も100をはるかに超える戦争があったけれども、日本だけは戦争に巻き込まれることはないというのか、戦争になっても反撃しない(占領を容認してレジスタンスで占領者を追いだすのか)ことが大事だというのか、よくよく考えなければなりません。そういう主張は、これまで仲間内では通用してきたと思いますが、国民投票の時代には、半分の国民を納得させる論理が求められてきます。

 そうではなく、「自衛隊廃止はしばらく先のこと」と言うと、まず「当面は使うのか。憲法に違反することを護憲派が主張するのか」と批判されます。この間の市民運動のなかで、「立憲主義を守る」ことが問われ、今度の選挙でもそれが大争点です。そして、自衛隊違憲論者にとっては、自衛隊の存在自体が立憲主義に反していることになるので、自衛隊を当面は容認するというなら、立憲主義を守れという主張との整合性が問題になってくるのです。

 従来型の護憲派にとっても、いまの時代というのは、新しいチャレンジが必要だと思います。そのチャレンジがあってこそ、護憲運動は成長していくと感じるので、是非、どなたか参加してほしいです。